①リンス②コンディショナー③トリートメント④ヘアマスクそれぞれの違い&使い分け 

トリートメント,リンス,コンディショナー,ヘアマスク,違い

  • リンスとコンディショナーって何が違うの?
  • トリートメントとヘアマスクのCMで、同じようなことを言ってるけど、違いが分からない・・

ほとんどの人が”リンス”、”コンディショナー”、”トリートメント”、”ヘアマスク”に対して、このような疑問をお持ちでしょう。

そこで、現役美容師が『”リンス”、”コンディショナー”、”トリートメント”、”ヘアマスク”の違い』についてお答えしていきたいと思います。さらには『4製品の使い分け方』についても合わせてご紹介します。

ぜひ、ヘアケアに興味がある方はチェックして下さい。

”リンス”、”コンディショナー”、”トリートメント”、”ヘアマスク”の違い

4つの製品に明確な定義や違いは存在しない?

初めに衝撃的な事実を2つお伝えしておかなければいけません。その2つの事実とは・・・・

  1. リンスやコンディショナー、トリートメント、ヘアマスクには、それぞれ”明確な”定義や違いは存在しない。
  2. 各メーカーや製品によってもその区別の仕方が異なる。

「どういうこと!4製品の違いについて学びに来たのにおかしいじゃない?じゃあ、なんでそれぞれ呼び名が違うの?」

この2つの事実をお伝えすると、よくこのようなご意見を頂きます。確かにみなさまの意見はごもっともです。

しかし、これは事実で「リンスには絶対この成分が入っている」、「トリートメントの効果は絶対コレ」という明確な定義や違いは辞書や美容の教科書をみても見当たらないはずです。

4つの製品の配合成分や使用目的は似ている

なぜ、4つの製品(リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアマスク)には、それぞれに明確な定義や違いがないのでしょうか?

その理由は、いずれの製品も配合成分や使用目的について類似点が多いからです。つまり、「あるリンスに配合されている有効成分が、あるトリートメントにも配合されている」ということはよくあります。

なので、それぞれの商品のCMやチラシでは、静電気を防止し、毛髪の手触りやクシ通りが良くする効果、また毛髪をまとめヘアスタイリングをしやすくする効果など、共通した宣伝文句が使われるのです。

質や量の差こそあれ、シャンプーによってマイナスの電気を帯びた毛髪を中和し弱酸性に戻す成分が4製品に共通して含まれていることが多いです。他にも、毛髪にツヤを与えたり、ダメージを補修したりする成分がリンスやコンディショナー、トリートメント、ヘアマスクと呼ばれる製品には含まれています。

リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアマスクの主な成分
構成成分 配合目的 主な原料
界面活性剤 きしみをなくす、静電気防止 毛髪の表面に吸着し、被膜を作るので、静電気を防止する成分。毛髪には静電気は大敵です。

ナイロンブラシなどでブラッシングを行うと、摩擦による静電気が発生し、チリやホコリがつきやすく、ブラシの通りも悪くなります。これを解消する成分がカチオン界面活性剤です。リンス、コンディショナー、トリートメントの主成分として配合されています。

カチオン界面活性剤は、ブラシの通りを良くしたり、ホコリなどを遮断したり、キューティクルを保護したりする役割もあります。これら作用で毛髪に美しい光沢とツヤが出ます。

カチオン界面活性剤

コンディショニング成分

きしみをなくす、毛髪の保護

ブラシの通りを良くしたり、ホコリなどを遮断したり、キューティクルを保護したりする役割があります。カチオン界面活性剤と同じく、毛髪表面に被膜を作って保護する成分です。ただカチオン界面活性剤よりも毛髪に長く残るため、より高い効果が得られます。 カチオンポリマー
髪の毛のダメージを補修するコンディショニング成分です。PPTには、タンパク質を加水分解したもので、水に溶けやすい性質があります。PPTは、毛髪に似た構造のアミノ酸から構成され、損傷によって流れ出たタンパク質を補う役割を果たします。PPTの中には、加水分解コラーゲン、加水分解ケラチンなどがあります。 PPT(加水分解タンパク質)

アミノ酸

油剤 油分補給、増粘効果 シャンプーで過剰に洗い流された皮脂を補い、表面を覆った被膜が毛髪の水分蒸発をコントロールして、毛髪の滑らかさや手触り、ツヤを良くする働きがあります。 食物油脂、脂肪酸、ラノリン、スクワラン、エステル油、ワックス、シリコーン油、高級アルコール
保湿剤 保湿 毛髪の水分が不足すると、静電気が発生し、損傷が起こりやすくなります。保湿剤は、毛髪から水分を逃さないようにし、静電気を抑えて損傷を防ぎます。が保湿剤として用いられます。近年は、ヒアルロン酸やコラーゲンなど高分子の保湿剤が使用されています。 グリセリン、グリコール、キトサン、コラーゲン、ヒアルロン酸
香料、その他 製品の特徴づけ 香料は、ラベンダーやバラ、椿の香りなど製品ごとの特徴を持たせるために用いられます。そのほかにも、スーッとする清涼剤が含まれる製品もあります。 香料剤、紫外線吸収剤、清涼剤、酸化防止剤、金属封鎖剤
防腐剤 製品の安定化、腐敗防止 開封後、長期間使用することが多いトリートメントやリンス、コンディショナーの成分を安定、腐敗することを防止するために配合されています。 パラベン、安息香酸塩

”リンス”、”コンディショナー”、”トリートメント”、”ヘアマスク”には各々特徴がある

先ほど、4つの製品(リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアマスク)には明確な定義や違いはないと言いました。

しかし、一般的に4つの製品は「配合成分と配合量」、「最も期待される効果」の違いによって区別され、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアマスクと呼び名が使い分けられています。

その違いを元に、4つの製品の特徴を表にまとめてみました。

リンス 毛髪表面のキューティクル保護とツヤ出し効果に優れています。リンスの粒子は比較的大きく、髪表面のキューティクルの剥がれた部分に吸着され、髪を滑らかにするヘアアイテムです。一方で、トリートメント、コンディショナー、ヘアマスクの中ではダメージの補修力は一番少ないです。
コンディショナー リンスの効果を向上させ、保湿力などを向上させたものがコンディショナーです。トリートメントほどの補修力は望めませんが、髪の毛にツヤや潤いをあたえ、ハリやコシなど感触がよくなるように表面を中心に働きかけます。
トリートメント 毛髪内部に浸透し、傷んだ髪を人工的に補強して正常な状態に近づけるヘアアイテムです。トリートメントの粒子は小さく、髪の表面だけでなく、キューティクルの隙間から内部にまで浸透して、髪の潤いを保つ成分が多く配合されている。
ヘアマスク トリートメントの効果を向上させたのがヘアマスクです。ダメージの補修力は4つのヘアアイテムの中で、最も高くトリートメントで効果がなかった酷いダメージを補修できることもあります。

”リンス”、”コンディショナー”、”トリートメント”、”ヘアマスク”の使い分け方

ヘアケアアイテムの使い分け

トリートメント、ヘアマスク、リンス、コンディショナーには明確な定義はありませんが、一般的にある程度期待される効果に違いがあり、その違いにより呼び名が変化することがお分かりいただけたのではないでしょうか。

なので、トリートメント、ヘアマスク、リンス、コンディショナーと呼び名の違いによって、各ヘアアイテムを使い分けて頂ければと思います。

  • リンス、コンディショナー・・・・毛髪表面の艶出し効果、手触り櫛通りを滑らかにする効果、キューティクルを保護する効果に優れている。しかし、あくまでコーティングの役割であって、毛髪の内部にまで成分を浸透しダメージを補修することを目的に使用しません。
  • トリートメント、ヘアマスク・・・・毛髪内部に浸透しダメージを補修ケアする効果、髪の質感をコントロールする効果に優れている。しかし、あくまでダメージ補修の役割であって、毛髪の表面の艶出しを目的に使用しません。

実際にヘアアイテムを選ぶ時は、「どんな成分が多く含まれているか、どのような効果が期待されるのか」それぞれの成分と特徴があるので、髪の状態はもちろん、自分のライフスタイルと合わせて楽しみながら使い分けるようにして下さい。さらに、各ヘアアイテムの効果や使い方について知りたいからは下のリンクを参考にして下さい。

ヘアトリートメントをさらに詳しくリンスとコンディショナーをさらに詳しく