リンスとコンディショナーの違いとは?使い方や順番について現役美容師がお答えします!

リンス・コンディショナー

みなさんコンディショナーやリンスについて色々な疑問をお持ちではないですか。

  • コンデショナーやリンスって使った方が良いの?どんな効果があるの?
  • そもそもコンディショナーとリンスの違いって何?
  • 正しい使い方(順番、量、時間)は?
  • 美容師さんがおすすめするコンディショナーやリンスを教えて!

そこで、現役美容師がみなさんの”リンスとコンディショナー”に関する疑問や質問にお答えしていきたいと思います。ご一緒に、リンス・コンディショナーの効果や正しい使い方を学んでいきましょう。

リンスとコンディショナーとは?意味や両者の違いを学ぼう

まず始めに、リンスとコンディショナーについて知っておいて欲しいことがあります。それは、リンスとコンディショナーの違いについてです。

実は、両者にはさほどの違いはありません。強いて言えば、”リンス”の効果を向上させたものが”コンディショナー”と考えていただければ結構です。つまり、リンスとコンディショナーに期待される効果は同じというわけです。

それでは、リンス・コンディショナーにはどのような効果があるのでしょうか。

リンス・コンデショナーの3つの効果と使用する意味

リンスとコンディショナーの効果と違い

リンス・コンディショナーを使用することで、光沢を出し、サラサラとしなやかで柔軟性のある毛髪に仕上がります。

主な、リンス・コンディショナーの効果は3つに分かれます。

リンス・コンディショナーの効果
効果 詳細
艶出し(光沢)や潤いを与える効果

毛髪をコーティングすることで、艶や潤いを与えます。リンス・コンディショナーにはオイルが含まれていて、洗髪により落ちた油分を補い、毛髪に艶を与えます。さらに、サラサラ感とした手触りになり、きしみを防ぎます。

また、リンス・コンディショナーには、水分の蒸発を防ぐ成分が配合されているので、髪に潤いを与え保湿力を高めます。

毛髪の保護

毛髪の表面に保護膜を作り、スベりを良くしたり、静電気を予防することで、ダメージから保護する。リンス・コンディショナーに配合されているオイルやシリコンが髪の毛に保護膜を作りスベりを良くすることで、クシやブラシの通りが改善します。これによりスタイリングがしやすなり、キューティクルへのダメージが防げます。

また、埃(ホコリ)などの汚れが付きにくくなります。

アルカリ分の中和効果

毛髪にとって弱酸性の状態が最も健康な状態とされています。

これは毛髪のキューティクルが”酸性では閉じ、アルカリ性では開く”性質を持っているためです。キューティクルが開いた状態だとダメージを受けやすくなります。石鹸を主剤としたシャンプー剤を使うと、毛髪はアルカリ性に傾いてしまいます。これをリンス・コンディショナーに含まれる”クエン酸(酸性)”で中和させ、PHを弱酸性に近づけ健康な状態に近づけます。

PHとは、アルカリ性と酸性の強さの度合いのこと。弱酸性はPHが4.5~5.5の状態。

この3つの効果により、毛髪の光沢や柔軟性が向上し、艶やかでサラサラとした柔軟性のある髪の状態となるのです。

リンスの意味と由来

元々リンスとは、英語「rinse」という綴りで、和訳すると「すすぐ、洗い流す」という意味になります。これは、先ほどの”アルカリ性の中和”させる為にリンスですすぐ必要があったことに由来しているとされています。(ちなみにコンディショナーは英語で「conditioner」と書きます)

リンス・コンディショナーの使用目的は、シャンプー剤の研究開発によって変化してきました。

一昔前までは、石鹸を主剤としたシャンプーが使われていました。このため、リンスは、シャンプー時にアルカリ性に傾いた毛髪を元の状態(弱酸性)に戻す目的で用いられていました。

しかし、今では、合成洗剤を主剤としたシャンプー剤が用いられるようになった為、PHの問題はさほど大きくなくなりました。その代わりに、合成洗剤は脱脂力が強いという理由で、シャンプー後の油脂分を補い美髪にする目的でリンス・コンディショナーは用いられています。

リンス・コンディショナーとトリートメントの違い

リンス・コンディショナーとトリートメントの違い

これまでの説明で、「リンス・コンディショナーとはどのようなヘアアイテムなのか」ご理解いただけたと思います。

では、みなさんが混合しがちなトリートメントとの違いについて説明していきます。

一般的にリンス・コンディショナーは、毛髪の表面を中心に働きかけます。その一方で、髪の毛のダメージを補修したりする目的ではほとんど使用されません。

逆に、トリートメントは、毛髪の内部を中心に働きかけます。トリートメントには、栄養成分や補修成分が含まれていて、傷んだ髪の毛に浸透し、ダメージを人工的に補強して正常な状態に近づけるヘアアイテムです。

したがって、リンス・トリートメントの使い分けは次のように行うと良いでしょう。

  • 髪のダメージを補修したい方・・・・トリートメント
  • 髪の質感や艶を向上させたい方・・・リンス・コンディショナー

この違いは、一般的な違いであり、メーカーや商品に含まれている成分によって異なります。また最近では、リンス・コンディショナーとトリートメントの両方の効果を併せ持つタイプも出てきています。これらの目安は1つの基準として考えていただければと思います。より深くトリートメントの効果や使い方について知りたい方は次の記事を参考にして下さい。

ヘアトリートメントについて

リンスとコンディショナーの違いは

先ほど、リンスの効果をさらに向上させたものがコンディショナーだとお伝えしました。コンディショナーは、リンスにトリートメントの効果を少し加えたものだと考えていただければ結構です。コンディショナーは、トリートメントほどの補修力は望めませんが、毛髪に艶や潤いを与え、ハリやコシなどの感触が良くなるよう表面を中心に働きかけるヘアアイテムです。

リンス・コンディショナーの正しい使い方

現役美容師の立場から、リンス・コンディショナーの正しい使い方について説明していきます。

ここで教えるポイント(順番、時間、量)は、リンス・コンディショナーを効果的に使うために押さえておきたいことばかりです。

正しい順番を守ろう

”シャンプー→トリートメント→リンス・コンディショナー”が正しい順番

シャンプー後にリンス・コンディショナーはは使用する

みなさんリンス・コンディショナーをどのタイミングで使うのか迷うところだと思います。

ズバリ、次の順番での使用をおすすめしています

  1. シャンプー
  2. トリートメント
  3. リンス・コンディショナー

まず、シャンプーで毛髪や頭皮についた皮脂や汚れをキレイに洗い流します。次に、トリートメントで毛髪内部のダメージを補修します。そして最後に、リンス・コンディショナーで髪の毛の表面に保護膜を貼ります。

美容師が教えるシャンプーのやり方

リンスインシャンプーは面倒くさがりの救世主⁈

リンスインシャンプー

しかし、「1回のお風呂で、シャンプーもリンス・コンディショナーもするのは時間が勿体無い・・・面倒くさい・・」

このように感じる人も多いと思います。

実は、シャンプーとリンス・コンディショナーを同時に行い時間を短縮する方法があります。

その時間短縮方法とは、リンスインシャンプーを使用することです。リンスインシャンプーとは、シャンプーにリンスの成分が入っているヘアアイテムです。つまり、シャンプーとリンスが一緒にできるのです。

しかし、リンスインシャンプーは、メリットばかりではありませんデメリットもあるので総合的に判断して使用しましょう。

リンスインシャンプーのメリット・デメリット
メリット リンスとシャンプーが一緒にでき時間短縮できる。
リンスとシャンプーを別々に購入する手間が省け、また低コストでお財布にも優しい。
デメリット シャンプーの中にリンスの成分が混ざっている為、洗い残しがあると頭皮や地肌がベタついたり、抜け毛の原因になる場合があります。その為、抜け毛が気になる男性や女性にはおすすめできません。
リンス、コンディショナー単体で使うよりサラサラ感やまとまり効果が低い。

リンスインシャンプーって時間が短縮できて便利!!ということで、家にある家庭用のリンスとシャンプーを自己判断で混ぜ合わせることは止めましょう。単体同士混ぜ合わせると、成分のバランスが悪くなるのでヘアトラブルの原因となる場合があります。

リンス・コンディショナーの正しい付け方

量や付け方、置き時間のポイント

リンス・コンディショナーの正しい付け方

それでは、リンス・コンディショナーの正しい付け方について説明していきます。次のポイントを押さえて実践してみて下さい。

  1. まず、頭皮や毛髪に付いたシャンプーやトリートメントが残らないよう、十分にすすぎ洗い流します。そして、毛髪の水分を優しく両手で挟みこみ軽く切ります。リンス・コンディショナーの薄まりを防ぐコツです。
  2. 手のひらにリンス・コンディショナーを適量とり出します。適量の目安は、髪の長さによって異なります。メーカーにもよりますが、毛髪の長さが”ショート~ミディアム(鎖骨まで)なら1~2プッシュ”、”ミディアム~ロング(鎖骨下以上)は2~3プッシュ”を目安にして下さい。使い過ぎは、経済的に勿体無いだけでなく、ヘアトラブルを招くリスクも高まります。
  3. リンス・コンディショナーを両手で伸ばし、髪の毛の中間から毛先へとムラなく付けていきます。*なるべく頭皮には付けないようしましょう。頭皮に付くと、リンス・コンディショナーの油分が毛穴につまり、抜け毛の原因となる場合があります。また、②番で、2プッシュ以上の髪の毛の長さの場合、一度にすべての量を手のひらで取らず、数回に分けるとムラが少なく付けられます。
  4. 髪全体に付け終えたら、手グシで再度ムラなく馴染ませます。そして、なるべく時間は置かずにシャワーでヌルつきが取れるまで十分に洗い流します。綺麗に洗い流すことで頭皮の毛穴に残ったリンス・コンディショナーを取り除くことができます。

洗い残しや付け過ぎは厳禁!頭皮や地肌のトラブルのリスクが高まる

リンス・コンディショナーとヘアトラブル

リンス・コンディショナーには、色々な効果があることがご理解いただけたと思います。ただし、洗い残しは抜け毛や薄毛、頭皮のニキビなどのトラブルに繋がるのでしっかりと洗い流しましょう。他にも抜け毛や薄毛(ハゲ)原因となるものがあるので、気になる方は対策しましょう。

また、綺麗に洗い流しても頭皮や首などの地肌が赤くなったなど、肌に合わない場合は、リンス・コンディショナーの使用を中止して下さい。もし、症状が酷いような場合は、病院に受診しましょう。