【FAGA(女性男性型脱毛症)とは?】”原因”と”治療法”まとめ

FAGA

FAGA(女性男性型脱毛症)という症状を知っていますか?もし、次のようなお悩みを抱えている女性は、FAGAが疑われます。

  • 「更年期を迎えてから、髪の毛にハリやコシがなくなってきた・・」
  • 「頭髪全体が細くなり抜け毛が増えた、薄毛になってきたかも・・」

そこで、ここでは現役美容師が「FAGAとは何なのか」わかりやすく解説していきます。さらに、「FAGAを引き起こす原因」や「治療法」もあわせてご紹介しているので、ぜひ抜け毛・薄毛にお困りの女性はご一読ください。

FAGA(女性男性型脱毛症)とは

FAGAとは

「FAGA(女性男性型脱毛症)」とは簡単に説明すると次のような意味になります。

FAGAとは、遺伝やホルモンによって生じる女性の脱毛症のことです(ただし病気ではありません)。正式名称は「Feamel Androgenetic Alopesia」と言います。

さらに、この正式名称を単語ごとに分解し和訳すると、FAGAの語源がよく理解できるはずです。

Female
女性
Andro
男性ホルモン(アンドロゲン)
Gnetic
遺伝
Alopesia
脱毛

つまり、FAGAの主な原因は、男性ホルモンと遺伝なのです。それでは、この2つの原因についてさらに詳しく見ていきましょう。

FAGA(女性男性型脱毛症)の原因

aga,faga

渡辺文暁

突然ですが、ここで問題です!「女性か男性、ハゲている人が多いのはどちらだと思いますか?」

男性じゃないかしら。

渡辺文暁

はい正解!

数々の調査・研究を見ても、男性の方が抜け毛や薄毛に悩まされていることは明らかです。

でも、なんで女性より男性の方が薄毛の人が多いのかしら・・・?

渡辺文暁

いい質問だね。実は、この答えにFAGAの原因をより深く知るためのヒントが隠されているのです。

①ホルモンバランスが原因となる

男性ホルモンには抜け毛を促す作用がある

男性と女性ハゲ

男性の抜け毛・薄毛の一番の原因は、男性ホルモンの影響です。

みなさん男性ホルモンには、顎ヒゲや体毛など「毛を生やす作用」があるのは有名でしょう。しかし、実は男性ホルモンには「抜け毛を促す作用」もあるのです。

それでは、男性ホルモンが抜け毛を促進する仕組みについて、簡単に説明していきます(少し難しいので、ここは読み飛ばして結構です)。

男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、前頭部と前頂部の毛乳頭に多くある「特殊な酵素(Ⅱ型5α-還元酵素)」と結びつくと、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という脱毛を促進する物質に変化します。そして、DHTがレセプター(受容体)と結合すると、「脱毛しろ!」という命令が出されます。

こうなると、髪の毛が太く硬く成長する前に、抜け落ちる症状が現れ、細く短い毛が多くなります。特に、つむじや額に薄毛が目立つようになってきます。一方で、後頭部と側頭部の毛乳頭には、このDHTと反応するレセプターが少なく脱毛が起こりくくなっています。

この男性ホルモンが原因で生じる男性の抜け毛・薄毛のことを、AGA(男性型脱毛症)と言います。AGAの典型的なパターンは、いわゆる波平さん状態でハゲるのです。

FAGAはホルモンバランスが深く関わっている

かといって、「女性はホルモンの影響を受けないか」と言われるとそれは違います。

なぜなら、女性の体内においても、男性ホルモンが作られているからです(男性の体内でも女性ホルモンは作られています)。

しかし、女性の場合は、男性と比べて「男性ホルモン」の量が少なく、さらに、毛髪の成長を促す作用のある「女性ホルモン」の量が多いため、男性よりも抜け毛や薄毛が少ないのです。

  主なホルモン ホルモンの働き
男性ホルモン テストステロン 特殊な酵素と結びつくと「ジヒドロテストロン(DHT)」となり脱毛を促進します。
男性特有の筋肉質な体格、体毛やヒゲの発育、性欲の増進などにも働きかけます。
女性ホルモン エストロゲン 髪を成長させたり、毛髪にハリやコシを与える役割がある。髪の毛の幹細胞の成長を促し、頭皮のコラーゲン量を増加させて髪にコシやハリを与えます。血管拡張作用があり、ヘアサイクルの延長をもたらすとも言われています。
女性らしい体格形成にも働きかけます。

更年期を迎えるとFAGAになりやすくなる?

更年期 ,FAGA女性ホルモン

ところが、女性でもある時期を境に、このホルモンのバランスに乱れが生じます。

そのある時期とは、40歳代、50歳代で迎える更年期です。

更年期を迎えた女性の体内では、今まで髪の毛の成長を促していた女性ホルモンが急激に減少し始め、相対的に男性ホルモンの割合が増加していきます。

渡辺文暁

つまり、この更年期によるホルモンバランスの乱れが原因で、心身ともに男性ホルモンの影響を受けやすくなる為、FAGAを発症しやすくなるのです。

いわばFAGA(女性男性型脱毛症)は、女性版のAGA(男性型脱毛症)ということね。

②遺伝が原因となる

FAGA遺伝が原因

遺伝もFAGAの原因となります。

「お父さんやお祖父ちゃんがハゲてきたから、私も抜け毛・薄毛が目立ってきた」という声をよく聞きます。これはあながち間違いではなく、FAGAは遺伝が原因で引き起こされることがあります。

「薄毛になりやすい体質」は親から子へと伝わります。「薄毛になりやすい体質」は優性遺伝だということも分かっていて、母方の祖父からその体質を引き継ぐとも言われています。また、父親が男性型脱毛症の方の中には、出産後に生じる出産後脱毛を契機にFAGAが進行することがあることも知られています。

他にもあるFAGAを引き起こす要因

FAGAの要因

FAGAは、主にホルモンと遺伝の2つが主な要因です。

しかし、この2つの要因を両方持っているからといって、必ずしもFAGAになるわけではありません。また、この2つ以外にも、さまざまな要因が複雑に絡み合うことでFAGAを発症することも分かってきています。

それでは、FAGAを引き起こす要因となるものを、いくつかピックアップしてみます。

FAGAの要因となるもの
加齢

年齢とともに、毛髪のヘアサイクル(毛周期)が短くなります。健康な女性の髪の毛は通常、4~6年ほどの周期で生え抜け変わります。
しかし、歳を重ねると成長期が短く、休止期が長くなるため、頭全体の毛の本数が減少します。さらに、加齢により皮脂分泌が減少し、髪の艶やハリが失われ、ボリュームがなくなったり、柔らかい毛質になることもあります。

ヘアサイクルとは、毛の生え変わる周期のこと、つまり新毛が生まれて抜け落ちるまでの期間です。ヘアサイクルは、①成長期(髪が伸びる時期=約2~6年)、②退行期(約2~3週)、③休止期(約3~4ヶ月)に大きく分かれます。さらにヘアサイクルについて学ぶ

生活習慣の乱れ 食事、睡眠、運動などの生活習慣が乱れると、体に悪影響が出てきます。これは髪の毛にも言えることです。細く元気のない髪の毛が増加してきます。
パーマ、カラーリング パーマやカラーリングで使用する薬剤が、髪の毛や頭皮に負担をかけます。すると毛髪が細くなったり、頭皮が炎症を起こし脱毛に繋がります。
ドライヤー ドライヤーやアイロンの熱は、毛髪と地肌にダメージを与えることがあります。ドライヤーの熱で乾かしすぎるオーバードライになると、毛髪の組織が変形したり、頭皮荒れを招くことがあります。
シャンプー 抜け毛予防のためにシャンプー時に、ゴシゴシと洗いすぎたり、過度なマッサージを行ったために、頭皮が荒れ炎症を起こしてしまうことがあります。また、シャンプー剤のすすぎ残しが、毛穴を詰まらせ脱毛を引き起こすこともあります。なお、一部の石油系界面活性剤が毛髪に悪影響があるという報告もあります。
過度なダイエット 極端なダイエットで栄養のバランスを崩すと、毛髪の材料となるタンパク質が欠乏したり、鉄欠乏性貧血を起こすことがあり脱毛が多くなります。
ストレス 精神的、肉体的なストレス増加は、脱毛誘因の一つです。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、頭皮の血行が悪くなり抜け毛が引き起こされやすくなります。
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FAGAの症状

FAGAの症状と進行パターン

FAGA(女性男性型脱毛症)の症状と進行パターンには、特徴があります。

FAGAの進行パターンとして有名なのが、1977年に発表された「ルードヴィヒによる分類」です。「ルードヴィヒの分類」では、FAGAの症状を3パターンに分けています。

ルードヴィヒの分類
Ⅰ型 ルードヴィヒⅠ型 正面から頭頂部が全体的に薄くなった状態
Ⅱ型 ルードヴィヒⅡ型 脱毛の領域がⅠ型より拡大した状態
Ⅲ型 ルードヴィヒⅢ型 AGAの症状に類似して前頭部から徐々に後退した状況

上の表からも分かるように、FAGAの症状は、頭髪全体がびまん性(幅広く)に薄くなり、特に頭頂部を中心として進行していくことが多いです。また、男性のように短期間で抜け毛が多く、地肌が目立つほど薄毛になるという変化は少なく頭部全体が満遍なく薄くなることが多いです。

このことからFAGAはびまん性脱毛症とも呼ばれます。

FAGAとAGAの違い

FAGA(女性男性型脱毛症)とAGA(男性型脱毛症)は、同じくホルモンの働きと遺伝が主な原因の症状です。しかし、両者ではいくつか相違点があるので、今までの説明を含めておさらいしておきましょう。

  FAGA(女性男性型脱毛症) AGA(男性型脱毛症)
性別 女性 男性
主な要因 ホルモンと遺伝
症状のパターン 頭頂部から全体的に薄くなる。前頂部は変わらないことが多い 額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または両方から薄くなる。側頭部と後頭部の毛髪は残ることが多い
発症時期 男性より遅い段階(更年期ごろ)の発症が多い 女性より早い段階(思春期以降)からの発症が多い

FAGA(女性男性型脱毛症)の治療

FAGAは治る?

AGAの病院

FAGAは、適切な治療をすることで治ります。

ただし、FAGAの治療はなるべく早く開始することがすすめられます。脱毛症状が早期ならばそのぶん回復する可能性が高くなります。逆に遅くなると、小さくなった毛包は元に戻りにくくなるので注意が必要です。

FAGAの治療は、FAGAを引き起こす要因の数だけあります。さらには、育毛剤などの薬を使った治療法もあるので、チェックしていきましょう。

薬による治療

育毛剤(ミノキシジル)はFAGAに有効

ミノキシジル, リアップジェンヌ

製品情報 | リアップリジェンヌ | 大正製薬

FAGA(女性男性型脱毛症)の治療の中心は、いわゆる育毛剤による外用治療です。女性に対して改善効果が明らかなものは、この2つに作用する「ミノキシジル」が主成分とした育毛剤です。

ミノキシジルの発毛促進作用
毛髪の成長環境を整える 血管拡張作用、皮脂抑制作用など
毛髪を作る細胞に直接働きかける 毛乳頭細胞の増殖を促進作用、毛母細胞の退行を抑制作用など

このミノキシジルの作用により、毛の成長期が長くなり、休止期の毛が成長期へ誘導され、毛髪の密度が増加し、毛が太くなる発毛促進効果が期待できます(ただし、ミノキシジルには男性ホルモンや女性ホルモンへの直接的な作用は期待できません)。

日本で、ミノキシジルを含んだ女性用の育毛剤を手に入れるには、「リアップリジェンヌ」が薬局やドラッグストアー、通販で購入できます。また、アメリカのミノキシジル入り女性用育毛剤「ウィメンズ・ロゲイン」は、病院やクリニックで処方してもらえます。

ミノキシジルとは?2つの効果と副作用

プロペシアはFAGAには有効性はなく、逆に副作用のリスクがある

fagaプロペシアNG

なお、「プロペシア(フィナステリド)」という男性ホルモンを阻害する薬は、AGA(男性型脱毛症)の治療薬として効果が認められています。

プロペシアはジヒドロテストステロンの発生を抑制することでAGAを治療する薬です。

しかし、「プロペシア」は、女性が発症するFAGAへの有効性は期待できません。逆に、プロペシアを妊婦、産婦、授乳婦などが服用した場合は、副作用として男子胎児の生殖器の正常発育に悪影響を与える可能性があるため禁忌とされています。

手術(植毛)

FAGAの外科的療法として、植毛があります。植毛の材料に使うのは、”自毛(自分の毛)”と”人工毛(人工の毛)”の2種類です。

FAGAの場合、男性のAGAとは異なり、びまん性に幅広く薄毛が進んできます。そのため、将来的にどの部分が薄くなるのかパターンを予測することが困難であり、植毛手術が上手くいかない場合もあります。

生活習慣(食事・睡眠・運動など)改善による治療

食事

FAGAは、生活習慣の乱れが要因となることがあります。

したがって、生活習慣を見直し正すことでFAGAの改善が期待できます。

食習慣 毛の材料となるタンパク質(肉・魚・豆)やビタミン(緑黄色野菜)、貧血を防ぐミネラルなどを重点的に、かつ、色々な栄養素を満遍なく摂取するバランスの良い食事が大切です。もし、亜鉛など不足しがちな栄養素はサプリメントなどで補給するのも一つの手です。また、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンは大豆などから摂取することができます。
睡眠 夜更かしはせずに髪のゴールデンタイム(22:00~2:00)までに寝ましょう。十分な睡眠時間を確保することや、毎日なるべく同じ時間に寝る習慣をつけ不規則な睡眠リズムを改善することも大切です。
運動 適度な運動も必要です。体を動かすことで、全身の血流が改善し新陳代謝が良くなるので毛髪の成長にも好影響です。
禁煙 タバコに含まれるニコチンは毛細血管を縮小させ、血流を阻害するので髪の成長を邪魔するので吸わないことに越したことはありません。
ヘアケア シャンプータオルドライドライヤー、頭皮マッサージの正しい方法を学び実践することも大切です。また、なるべく刺激が少なく自分の肌にあったシャンプー剤やトリートメントを選ぶようにしましょう。カラーやパーマを行う際もなるべく頭皮に負担の少ないものを選ぶと良いでしょう。
ストレス 解消過剰なストレスが溜まると自律神経が乱れ、血流が悪くなります。したがって、ストレスをなるべく溜めないことが大切です。

ウィッグやヘアスタイルによるカモフラージュ

ウィッグ(カツラ)や、付け毛などによるカモフラージュで対処するのも1つの手です。また、美容師に薄毛が目立ちにくいヘアスタイル(髪型、パーマ、カラーリング)を提案してもらうのも良いでしょう。

FAGAにお困りの方は病院へ

FAGA病院で治療

今まで、FAGAについて説明してきました。また、FAGAの治療法もいくつか取り上げました。

しかし、なかなか素人では「自分がFAGAかどうかの判断」や「自分にあったFAGAの治療」を実施しにくいのも事実です。特に、女性の薄毛は色々な原因が考えられるので尚更です。間違った治療法を試していると、効果がないばかりか逆効果になってしまうことさえあります。

なので、もし「FAGAかな?」と感じたら、早めに病院やクリニックなどの医療機関に受診することをオススメします。きっと1人1人に合わせた治療法を提案してくれることでしょう。

FAGAの治療の相談が可能な病院やクリニックは、基本的に皮膚科、内科、形成外科などです。最近では、FAGAやAGAといった薄毛治療を専門に行っている病院も増えてきているので一度相談してみると良いでしょう。ただ、病気の治療ではないので保険適用はありません。

確かに、1人で悩んでいるより、お医者さんに相談した方が気が楽よね。女性でも安心して入れる病院やクリニックってないの?

渡辺文暁

女性の薄毛・FAGA治療を専門的に行なっている有名な病院・クリニックについては、次の記事で説明してるよ。

女性の薄毛治療が受けられる病院・クリニック