「オーガニック(Organic)」とは何?食品やコスメに使われるオーガニックの意味&認証の種類(有機JASなど)を簡単解説
世界中で「オーガニック」がブーム。”TVやCM・雑誌・SNS”でもよく見かける言葉。
きっと、あなたの身の回りにも「オーガニック」と名前の付くモノ・コトを見かけるはず!例えば…
- 食品
- 野菜、フード、ハーブティー
- 美容コスメ
- シャンプー、化粧水、リップ、日焼け止め
- ファッション
- コットン、タトゥー、ヘアカラー、ヘナ
なぜ、こんなにもオーガニックという言葉で溢れているのでしょうか?その理由は、オーガニックが「安心安全」「地球環境や人体に優しい」と評判で、健康志向の人やナチュラリストから好まれているからでしょう。
ところで、あなたは「オーガニック」という言葉の意味を知っていますか?もしも意味を理解せず使っていると、恥をかいてしまうかもしれませんよ!

オーガニックって素敵な響きね…いかにも体に優しくて安全って感じ。ところで、無農薬やボタニカルとかと関係あるの?

良い質問だね。今から一緒に「オーガニック」とは何なのか学んでいこう。
オーガニックとは
「オーガニック(Organic)」とは「有機」という意味
近年、自然のままで高品質な食品・コスメを選択する人は増えています。そこで注目を浴びているのがオーガニックです。
「オーガニック(英語:Organic)」とは、「有機」,「有機栽培」という意味の言葉。有機とは、化学農薬や化学肥料など化学的なものに頼らず、自然の恵み(太陽・水・土地・生物)を活かした農業・畜産・加工方法のことです。
「有機」「オーガニック」と名乗ることが出来る商品は、国や組織の厳しい基準をクリアーしたものだけです。
オーガニックの目的は「自然な食物連鎖」
オーガニックの目的は「ただ、私たちの食品の安全性を高めること」ではありません。それは結果に過ぎず本来の目的はもっと壮大です。真の目的は「自然と人間の調和」。つまり、自然のままの健全な食物連鎖を守ることです。「人間をはじめ動植物から微生物まで、あらゆる生命にとって平穏かつ健全な自然環境づくり」こそがオーガニックの目的なのです。
その為、有機栽培では、化学農薬・化成肥料、環境ホルモンや遺伝子組み換え技術を避けた生産方法を取ります。
日本のオーガニック認証「有機JAS」とは
「有機JAS」の主な基準
日本では、オーガニックと表示して商品を販売するには、農林水産省が定めた「有機JAS」の基準を満たす必要があります。例えば、次のような基準です。
- 禁止農薬や化学肥料の不使用。
- 遺伝子組換え技術の不使用。
- 使用する肥料や農薬は天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもののみ。
- 公平な第三者登録機関の検査認証に合格。
この厳しい基準をクリアーした農産物だけが「有機JASマーク」を付けて①「有機+〇〇」②「オーガニック+〇〇」と箱や袋に表示することが可能。例えば…
- オーガニック食品、オーガニック野菜、オーガニックハーブ、オーガニックコーヒー、オーガニックチョコレートなど
- 有機米、有機牛乳、有機醤油、有機納豆など

①②に似た紛らわしい表示を付けることは法律上禁止されています。
「有機農産物」「有機加工食品」「有機畜産物」「有機飼料」の4種類
有機JASマークを記して良い食品は、種類が決められています。それは、「有機農産物」「有機畜産物」「有機加工食品」「有機飼料」の4種類だけです。なお、化粧品・コスメやコットン等については明確な基準が設けられていません。
有機農産物 | 有機畜産物 | 有機加工食品 |
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土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させる | 環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を与える | 物理学または生物の機能を利用した加工方法を用いる |
遺伝子組換え技術は不使用 | 動物用医薬品の使用の制限 | 化学的に合成された食品添加物及び薬剤の使用を避ける |
堆肥などで、土作りを行い、棚巻きまたは植え付けの前2年以上、禁止された農薬や化学肥料を使用しない | 動物の生理学的、行動学的要求に対して育てた家畜、家禽から生産する | 原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品 |
オーガニック認証の種類(有機JAS,ECOCERT,USDA)
日本の有機JAS(JONA)と同じように、世界各国でもオーガニック認証表示制度が存在します。例えば…アメリカではUSDA ORGANIC(USDA)、ヨーロッパではECOCERT、EUではEU有機など複数の機関が存在します。
有機JAS | USDA | ECOCERT | EU有機 |
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それぞれ認定基準には違いがありますが、おおよそ共通して以下の基準を満たす必要があります。
- 農薬や化学肥料を数年間使用してない土地での栽培
- 化学合成農薬や化学肥料の不使用
- 合成添加物の使用制限
- 遺伝子組み換え原料の不使用
- 放射線照射の不使用
「オーガニック」と「ボタニカル」・「無農薬」の違い
オーガニックと似たような言葉に「ボタニカル」や「無農薬」といった用語があります。ここで一度整理しておきましょう。
ボタニカルとの違い
「オーガニック」は”有機的な生産方法”という意味合いなのに対し、「ボタニカル」は、自然の成分を使った”自然由来”という意味合いが強いです。また、「ボタニカル」の場合は、明確な基準がなく自然由来・天然由来のものなら何でも名乗れるのが現状です。
無農薬との違い
「無農薬」とは文字通り、「農薬を使わずに作った」という意味です。「オーガニック=無農薬」という印象が持たれがちですが異なります。有機栽培の中でも、化学農薬は認められていない一方で、微生物を有効成分とする天然の農薬の使用は認められています。
また、「オーガニック」と商品に表示して販売できるのに対し、「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」などの表示を付けて販売することは禁止されています。これは「オーガニック」が厳しい基準のもと管理されている一方、「無農薬」は基準が曖昧なのが原因です。つまり、農薬を「いつ」「どこ」のタイミングで使用しなかった等の情報が不鮮明で分かりにくい表現だからです。
本当にオーガニック製品は安心安全?
世間では「オーガニック=安心安全」というイメージが広まっています。しかし、本当に信憑性が持てるのか疑問に感じている人も多いでしょう。
オーガニック製品は化学的リスクが少ない
先に結論を言うと、オーガニック製品は、一般的な製品と比べて安全性は高いと言えるでしょう。これはオーガニック製品が化学的なものを極力排除しているので、化学物質によるアレルギーの危険性が少なくなっているためです。また、保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保します。
ただし100%安心安全を保証するものではない
しかし、「絶対オーガニック=100%安心安全」というわけではありません。なぜなら、オーガニック製品は「化学物質」の不検出を保証したものではないからです。また元々、体質的に食物アレルギーを持っている人は、オーガニックだから大丈夫というわけにはいかないでしょう。卵アレルギーや小麦アレルギーの人が、それらオーガニック製品を口にしたとしても、アレルギー反応が起こらないわけではありません。
そもそもリスクが0%の製品は、この世に存在しません。あくまでも「化学的リスクを比較したら安全」という認識を忘れないでください。
「日本」と「オーガニックコスメ(化粧水、シャンプー、石鹸など」
日本ではオーガニックコスメの認証機関がない
今のところ日本発のオーガニックコスメの認証機関はありません。有機JASでは化粧品コスメや石けん、シャンプー、コットンなどについては明確な基準がありません。こと、オーガニックに関しては、日本は海外に遅れをとっています。
現状日本では、認証を受けてなくても「オーガニックコスメ」と商品に冠して販売可能
現状、日本ではオーガニック認証を受けていない成分を配合しているコスメでも「オーガニック」と付けて販売可能。ショップの棚に並んだ製品を手にとってみても「自然派」「無添加」「ボタニカル」「ナチュラル」「オーガニック」といったイメージの良い言葉が頻繁に利用されています。

しかし、本当はオーガニック成分が配合されていない製品もよく目にするわね…。
海外の「オーガニックコスメ(COSMOSなど)」認証を受けて差別化・ブランド価値を高めるのもOK
世界的にオーガニックコスメの市場が拡大しています。残念なことに、オーガニック先進国である欧米と違い、日本の化粧品業界ではオーガニックの統一した基準がありません。
そこで日本国内でも、海外のオーガニックコスメの認証を受けて製品の差別化・ブランド価値のアップを図る企業も増えてきています。例えば、欧州5カ国の認証機関(ECOCERTなど)がオーガニックコスメの統一基準を定めた「COSMOS」認証などです。
ちなみに、日本にもJOCAにおいてオーガニックコスメの推奨マークは存在します。
買い物する時は「オーガニック認証マーク」の有無をショップで確認!
実際に「オーガニック商品を購入してみようかな」と思った人もいるのではないでしょうか。でも、オーガニック商品ってどうやって見分けるのか分からない人も多いですよね?
見極めのポイントは「オーガニック認証・推奨マーク」です。今まで意識していなかった人は、これを機に意識してみてください。
特に、化粧水やシャンプー、石鹸などはオーガニック成分を含んでいなくてもオーガニックを謳っているものが多いです。オーガニックコスメにこだわる人は、スーパーやインタネットショッピングでも、必ず認証・推奨マークの有無を確認することをオススメします。

オーガニックな成分でも体質によっては、アレルギーを起こす場合もあるので100%安全とは言いきれません。アレルギーのある人は成分表を確認しましょう。