白髪の原因と改善法8選!美容師が教える頭皮マッサージやカラーリングなどの白髪対策をご紹介!
最近、白髪についてのお悩みをよく相談されます。
「20代なのに白髪があります・・何が原因かな?」「白髪が目立ってきて嫌だなぁ。何か改善方法はないですか?」「食事やサプリメントを摂るだけで、白髪が治るって本当?」「白髪染めはどう使うの?」・・・
美容師として、白髪にお困りの方が増えているのを実感する今日この頃・・。
その一方で、白髪に関する情報(例えば、白髪の原因や改善方法など)の少なさにビックリするかぎりです。ましてや、正しい情報を探すとなると尚更・・・
そこで、少しでもこの現状を改善するよう、正しい白髪の知識を美容師が分かりやすく説明します。
白髪と年齢の関係性
通常、人間の毛髪は”黒・茶・赤・金”といった色付きです。しかし、何らかの原因で”白やグレー”などの色味の淡い毛髪が生えてしまう。これがいわゆる白髪です。日本人の場合、黒や茶など濃い色味の毛髪が多いので、1、2本の白髪だけでも目立ってしまいます。
年齢が白髪の原因に関係?
白髪は薄毛ほど現れ方に、男女差はなく平均的に30代~50代で生え始めます。また、薄毛やハゲは男性に多いですが、白髪は男性女性も同じくらいの割合だと言われています。
そして、年齢を重ねるにつれて進行していき、毛髪に占める白髪の割合が増加していきます。
中には10代・20代の若白髪が生える人もいる
時には、10代・20代といった若さで白髪が生える人もいます。いわゆる”若白髪”です。一方で、50代、60代を過ぎても白髪が目立たない人もいます。
つまり、白髪のできる年齢には、かなり個人差があるのです。人によって「いつ頃から白髪になるのか」「どれくらいの量が白くなるか」はバラツキがあると言えるでしょう。どちらにせよ、加齢つまり老化が白髪と深く関係していることは、間違いありません。
しかし、なぜ10代・20代といった若さで白髪が生えてくるのでしょうか?年齢以外にも、白髪の原因となるものが存在するに違いありません。
白髪の原因
毛髪のメラニン色素の減少が白髪を招く
白髪の原因を知るには、まず”髪色とメラニンの関係性”について学びましょう。
TVCMなどでメラニンという言葉は聞いたことがあると思います。髪色や肌色を決定するのは、このメラニンの種類と含有量によって決まるのです。表からも分かるように、メラニンの量が多くなると、髪色は濃くなっていきます。
つまり、白髪の原因はメラニンの減少にあるのです。しかし、「なぜメラニンの量が減少してしまうのでしょうか?」その原因を探っていきましょう。
白髪 | ブロンド | 黒髮 | |
---|---|---|---|
メラニンの量 | ほとんどない | 少ない | たっぷり多い |
黒髮の元となるメラニンはメラノサイト(色素細胞)が生成
私たちの髪は、毛根の中で立派な毛髪へと成長していく過程で、メラニンを取り込み黒く色付いていきます。
髪は、毛球(毛根の一番根本)という場所で、毛母細胞が分裂を繰り返したものです。しかし、髪の元となる毛母細胞には色は付いていません。毛根内で成長していく過程で、メラニンを取り込み髪色を付けるのです。
メラニンは「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞が作り出します。メラノサイトが、チロシンやチロシナーゼといった成分を材料に、メラニンを合成するのです。
- チロシン
- メラニンの原料となる成分(アミノ酸の一種)
- チロシナーゼ
- チロシンを酸化させ、メラニンに変換するときに必要な成分(酵素の一種)
しかし、何らかの原因でメラノサイトの働きが衰えたり、数が減少し、上手く色付けされないまま成長し白髪として育ちます。
メラノサイトが働かなくなる原因は未解明な部分が多い!でも仮説有り
なら「メラノサイトが働かなくなる原因」を知りたいところ。根本的な原因さえ分かれば、対策し白髪を予防できるはずです。
しかし残念なことに、現段階では「白髪が生える仕組み」は分かっているものの「メラノサイトの働きが低下する原因」については、未解明な部分が多く謎のベールに包まれています。なので「コレが白髪の根本的な原因だ!」と決定的な証拠を突きつけられるものはありません。しかし、いくつか候補として挙げられるものならあります。
以上の候補が「なぜ、白髪の原因として挙げられるのか」その理由を説明していきましょう。
白髪の原因とされる7つの要因
①加齢による老化現象
白髪が増加するのは、加齢による老化現象が大きく影響しています。
メラニンを作るメラノサイトは加齢とともに働きが衰え、数も減少していきます。また、メラニンを作る時に欠かせないチロシナーゼ酵素も、加齢とともに減少してくることが分かっています。
これらの理由から、まず老化が原因で白髪のリスクが高まることは間違いないでしょう。
②遺伝
白髪の発生には遺伝が大きな役割を果たしていて、白髪になりやすい体質が親から子へと遺伝するのではないかと考えられています。
特に、10代・20代と若い時期から現れる白髪は、遺伝による影響が大きいのではないかと指摘されています。
ただし、具体的に何が遺伝することで白髪が生えてくるのかは未解明です。「体内のメラノサイトの数が少ない体質」「メラノサイトの活動が悪い体質」「毛母細胞に、メラニンが送りにくい体質」といった要因が遺伝しているのではと考えらえています。
③食生活の乱れ(偏食・ダイエット)による栄養不足
食生活の乱れが原因で、栄養不足を招き、白髪が出てくる可能性が指摘されています。
毛髪に必要な栄養は、血液に混ざり頭皮まで運ばれます。しかし、偏食や過剰ダイエットなどの食生活の乱れが原因で、毛髪の成長に必要な栄養が不足し、健康な毛髪が育たず白髪が出てくるのではないかと言われています。
特に、頭皮や毛髪を健康に保つのに必要な「タンパク質」や「チロシン」「銅」「ビタミンB」といった栄養素の不足が、白髪や薄毛を招く原因として指摘されています。
④ストレス
ストレスが原因で白髪が現れる可能性が指摘されています。
強い精神的ストレスが原因となり、全身の体調をコントロールする”自律神経”が乱れ、白髪が促進されると考えられています。
ストレスで自律神経が乱れると、頭皮に栄養を届ける毛細血管の縮小し血行が悪くなります。すると、毛細血管から頭皮・毛髪へと、十分な栄養が行き渡りにくくなり、白髪が現れると考えられています。
ストレスで一夜にして髪全体が白髪になることはあり得ない
よく「ストレスが原因で、一夜にして黒髪が全てが白髪に変化してしまった」「ストレスのせいで、短期間に白髪が急増してしまった」という話を聞きますが、そのような現象が起こることはありえません。
毛根から出た髪の毛は死んでいる細胞なので、ストレスだけで白く生まれ変わるとは考えられないからです。たとえ、ストレスの影響を受けたとしても、毛根から生えた髪が白髪になって出てくるには何日もかかります。毛髪全体が真っ白の白髪になるまでには、ストレスを受けてから数ヶ月~数年はかかります。
ただ、強いストレスが続くと、食生活が乱れ栄養が偏ったり、睡眠不足になったり、免疫力が落ちたりと、白髪の原因の候補に挙げられる条件が増えてしまいがちです。
⑤睡眠不足
睡眠不足が原因で白髪が現れる可能性が指摘されています。
主に、毛髪は「ゴールデンタイム(PM10時~AM2時)」と呼ばれる時間帯に成長が活発になります。夜更かしでゴールデンタイムの間に寝れない時期が続いた場合、健康的な毛髪が育たず結果歴に白髪が増えるのではと考えられています。また、睡眠不足はストレスと同じく、自律神経の乱れを招く原因ともなります。
⑥病気
病気が原因で白髪が現れる可能性が指摘されています。
病気が原因で、メラノサイトの新陳代謝が低下し白髪が増えるてくるのではないかと考えられています。
「急激に白髪が増えた」、「若いのに異常に白髪が多い」といった場合は、病気が原因の白髪かもしれません。例えば、次のような病気や治療法が疑われます。
- 胃腸障害
- 貧血
- 甲状腺機能亢進症
- ガンに対する放射線療法
また、円形脱毛症の治り始めの時期にも、白髪が多いと言われています。それから病気ではありませんが、妊娠中や産後に白髪が増加することもあります。妊娠中はホルモンの分泌が不安定になると同時に、赤ちゃんにカルシウムなどの栄養を取られるためともされています。
⑦頭皮の血行不良
頭皮の血行不良が原因で、白髪が現れる可能性が指摘されています。
毛髪に必要な栄養は、口から食べた食べ物が体内で消化分解され、血液にのり全身に運ばれます。頭皮も例外ではありません。頭皮にも毛細血管が通っていて、そこから髪の成長に必要な栄養素を仕入れています。
しかし、頭皮の血行が悪くなり十分な栄養が行き届かないと白髪が現れるのではと考えられています。
白髪の改善法(予防と対策)8選
TVや雑誌等では「食事やサプリメントで、白髪を対策できる」「ワカメや黒ゴマを食べると黒髮が増える」「シャンプーを変えたら白髪が治る」といった、さまざまな白髪改善法が紹介されています。
しかし、先ほどお伝えしたように「白髪の原因はコレだ!」と確定するまでには至っていいません。なので、どれも「白髪の改善効果が絶対ある!」「白髪をなくすことが可能」と断言できる根拠は乏しいのが実情です。
また、老化と遺伝という、特に白髪と深い関係が指摘される原因を改善することは困難です。老化を止めたり、遺伝子を組み替えて白髪の進行を予防することは、現実的ではありません。
現状は、この2つ以外で白髪の原因候補として挙げられているものを改善していくことが、最善の予防法と言えるでしょう。また、生えてきてしまった白髪に対しては、白髪染めで染めたり、ハサミで切るなどして対処していきましょう。
白髪の予防法(食生活改善・ストレス解消・良質な睡眠・頭皮マッサージ)
①食事やサプリメントで黒髮を導く成分を摂取
白髪の進行を遅らせるために普段から出来ることは、何と言ってもバランスの良い食事を心がけましょう。加えて、表に載っている艶やかな黒髮を導くために必要な食品を積極的に摂取しましょう。
タンパク質 | 髪の毛の主成分 | 肉、魚、大豆、牛乳・乳製品、卵 |
---|---|---|
チロシン | メラニンの原材料となるタンパク質(アミノ酸)成分 | 大豆、ピーナッツ、ゴマ、魚、レバー |
銅 | チロシナーゼ酵素に必要なミネラル成分 | アーモンド、大豆、納豆、ゴマ、牡蠣、海老、カニ、レバー |
亜鉛 | 髪の細胞分裂や生成をサポートするミネラル成分 | 緑茶、鶏肉、豚肉、ごま、アーモンド、海藻(昆布、ワカメ、ひじき、のり) |
ビタミンB群 | 細胞の再生やエネルギーの代謝を促し、健康な髪や皮膚の成長に関係するビタミン成分 | レバー、卵、乳製品、納豆、青背魚(アジやイワシ、ブリ、サバ) |
銅や亜鉛など、普段の食事では摂取しにくい栄養素は、サプリメント(健康補助食品)の活用がおすすめです。サプリメントを選ぶ際は、安さよりも有効成分の量や品質に注目しましょう。
③ストレス解消で自律神経を整え白髪対策
ストレスを解消し、白髪対策しましょう。
仕事に追われると、知らず知らずの間にストレスが溜まっているものです。たまには、休暇を取ってストレスを発散させましょう。運動や趣味で気分転換をすることも、ストレス解消に効果的です。
また、人に悩みを相談するのも効果的です。一人で抱え込んでいてはストレスが溜まりがちです。人に白髪や薄毛の悩みを相談した後には、気分が軽やかになります。
②良質な睡眠は健康な髪に必要
髪の毛の成長が活発になるゴールデンタイムの間に、眠るようにしましょう。また、睡眠の質を高め深い眠りにつけるよう工夫します。良質な睡眠を手に入れるコツとして、次のポイントを意識して下さい。
- メリハリのある生活で体内時計を整える。
- 健康管理(風邪や脱水などの予防)
- メリハリのある生活をして体内時計を整える
- 日中は、体を積極的に動かし適度に疲労させ
- 昼寝は、1時間まで(夜間の不眠を招くだけでなく、認知症を促進する原因にもなります)
- 寝る前にテレビやスマホ、携帯などは見ない
- カーテンを閉め、電気を消し部屋を暗くする
- ホットミルクを寝る前に飲む
- 就寝前にストレッチなどをしてリラックスする(やりすぎは逆効果)
- お酒を控える
- お風呂に入浴後、なるべく速く布団に入る
<参考:アットホーム介護>
④病気を治すことで白髪改善
老化や遺伝による白髪が治りにくい一方で、病気が原因と考えられる白髪は、病気が治ると再び黒髪に戻ることがあります。白髪を発生させる原因疾患が見つかった場合は、病気を治すことを最優先にしましょう。
⑤頭皮マッサージで白髪予防
頭皮の血流を改善させるために、頭皮マッサージをしましょう。頭皮マッサージを行うことで、頭皮が柔らかくなり血行が改善します。自分でできる頭皮マッサージのやり方については、リンク先で詳しく解説しています。
白髪の対処法
それでは、生えている白髪にはどう対処改善したら良いのか気になるところです。そこで、美容師が白髪の対処法を3つご紹介していきます。
①白髪を切る
数本程度の白髪なら、わざわざカラー剤で染める必要もないでしょう。白髪を切って対処することをおすすめします。白髪を切る時は、なるべく根元の方から切ってあげると短くなり目立たなくなります。
ただし、白髪は抜くのはNGです。その理由については「白髪は抜くな!美容師が教える”抜いたらいけない3つの理由”」で詳しく説明しています。
②ヘアカラーリング剤で白髪染め
唯一、ヘアカラーリング剤は、生えてきた白髪を黒くできる改善方法です。
数本くらいなら切るだけで誤魔化せますが、何十本にもなると対処が難しくなってきます。このような場合は、白髪染めなどでカラーリングして対処していきましょう。
白髪染め用のヘアカラーリング剤を選ぼう
さまざまな種類のヘアカラーリング剤が登場していますが、白髪を染める時は「白髪染め用」のものを選びましょう。白髪染め用なら黒髮と白髪が上手く馴染んで染まるように設計されています。髪へのダメージが気になる人もいると思いますが、上手に使いこなして頻度を最小限に止めるようにすれば、髪はそこまでひどく痛みません。白髪を気にしてストレスになるより、染めた綺麗な髪でいる方がよほど気持ちよく健康的です。
白髪染めに使うヘアカラーリング剤の種類
最近の白髪染めは、種類も色のバリエーションも豊富です。部分染めできる商品や髪を傷めにくい商品、シャンプーやトリートメントで染める商品など色々なタイプがあります。
しかし、どのようにヘアカラーリング剤を選べば良いのでしょうか。
白髪染めは大きく「ヘアカラー」「ヘアマニキュア」「一時染毛剤」の3種類に分かれます。各々の特徴を表にまとめるとこうなります。
ヘアカラー(永久染毛剤) | ヘアマニキュア(半永久染毛剤) | 一時染毛剤 | |
---|---|---|---|
特徴 | メラニン色素を分解して髪色を明るくすると同時に、染料同士が髪の内部で結びつき、しっかり染まります。 | メラニン色素を分解せず、染料が浸透して毛髪と弱い結合で染まるタイプ。髪色を明るくすることはできません。 | 一時的に髪の表面に色をつけるもの。シャンプーすることで、色が落ちます。マスカラタイプやペンタイプ、ブラシタイプがあります。 |
色持ち期間 | 色持ちは、約1~2ヶ月。パッチテストは必須です。 | 約2~3週間。パッチテスト不要です。 | 約1日~2日。パッチテストは不要です。 |
こんな人におすすめ | 白髪をしっかり染め、色持ちを長くしたい
髪色を変えたい |
カラーリング剤によるダメージが気になる方
ヘアカラーに抵抗のある方 |
急なお出かけや来客の時に隠したい方
ヘアカラーをするまでの間 |
白髪染めは自分に合うものを選ぼう!わからない方は美容師や医師に相談
市販の白髪染めは、誰でも綺麗に染まるよう製品化されているので割と簡単に使えます。ご自分でセルフカラーリングする時は、表を参考にお好きな製品を選んで下さい。
しかし、注意点としてカラーリング剤の使用は、かぶれなどの症状を起こすこともあります。カラーリング剤によるかぶれはアレルギーによるものが多いので、ある一定の化学構造を持った毛染め剤で、一度かぶれた人は、同じ成分を持った毛染め剤の使用は控え、違う成分が入った毛染め剤を使用します。
自分で染めるのが不安な場合は、美容師や医師に相談することをおすすめします。
③白髪を活かすヘアスタイル
ほとんどの人は遅かれ早かれ、いつかは必ず白髪になります。
いっそのこと、白髪を染めないという選択肢もあります。「黒い髪でいつまでも若々しく痛い」という気持ちも分かりますが、白髪には白髪の良さがあります。
白髪のロングヘアなどは、本当に美しいもので、大人の女性にしかできないファッションとして、白髪を活かせたら素敵です。フランスのパリなどでは白髪の女性が綺麗なお洋服を着てかっこよく着こなしています。
ぜひ、美容師さんに相談して白髪を活かすヘアスタイルを提案してもらいましょう。
*すでに白髪染めをしている人が染めるのをやめた時、一年ほどは黒髮と白髪が不自然に混じり合った時期を過ごすことになります。その間は、髪形をショートカットにしたり帽子をかぶったりと、ぜひ工夫を楽しんでもらいたいものです。