《お酒と髪の関係について》アルコールはハゲや薄毛に良い?悪い?飲み過ぎがNGな理由
お酒は昔から「百薬の長」と呼ばれていて、心身にとって良いものとされてきました。例えば、ビールやウィスキーに入っているアルコールには、さまざまな効果が期待できます。
- 血行が改善
- ストレス解消
- 入眠作用
- リラックス効果
毛髪にとってもこのようなアルコールの効果は、好影響をもたらします。例えば、アルコールの血行改善作用により、頭皮の血流が改善され発毛に必要な栄養や酸素が行き渡りやすくなります。
だからと言って”お酒をガバガバ大量に飲めば良い”のかというと、そうではありません。お酒の飲み過ぎは肝臓に大きな負担をかけたり、メタボや高血圧を引き起こし脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めてしまうことがあります。同じく、毛髪にとっても悪影響を及ぼし、薄毛や抜け毛の原因となるのではと考えられています。
そこで「なぜ、お酒の飲み過ぎが薄毛や抜け毛に繋がると考えられているのか」説明していきます。さらに、お酒と上手に付き合う方法も大公開していきます!
お酒の飲み過ぎによるアルコールの過剰摂取がハゲの原因?
タバコと並び問題視されることの多いアルコールですが、毛髪の健康に関しては、あまり大きな影響はありません。ですが過度の飲酒は、全身の健康状態を悪化させ、結果として髪の発育を妨げます。「昨晩ビール飲みすぎて二日酔いだよ」「クリニックでFAGAの治療を受けて育毛剤も使っているんだけど上手くいかない・・」という人はご注意を!
大量の飲酒は熟睡を妨げ睡眠の質が低下
お酒を飲むと、なんだか眠くなりますよね。これはアルコールによる入眠作用によるもので、眠りに落ちるための時間を短くする効果があります。したがって、適量のお酒だと寝つきが良くなるのですね。「お酒を飲むとよく寝れるので、寝る前に必ず1杯」という人も少なくないでしょう。
しかし、お酒を飲みすぎると、”睡眠途中で目が覚める中途覚醒”や”尿意によってトイレで目が覚める機会が増える”ので、結果的に熟睡できず睡眠の質が低下してしまいます。髪の毛は寝ている時間に最も成長するので、睡眠の質の低下により発毛が邪魔される恐れがあります。
アルコールが髪に必要なタンパク質の合成を妨げる
毛髪の約80%はタンパク質(アミノ酸)からできています。しかし、過度の飲酒は、髪の生成に必要なタンパク質を減少させ、抜け毛や薄毛の原因となると考えられています。少し難しいので、そのメカニズムを簡単に会話形式で説明していきましょう。
人間は食事から摂取した栄養をそのまま利用することはできません。そこで活躍するのが肝臓です。肝臓には、食事から摂った栄養素を体が利用しやすい形に代謝(分解・合成)する働きを持っています。
毛髪に必要なタンパク質は、肉・魚・豆などの食品に多く含まれています。タンパク質は小腸で一度アミノ酸に分解吸収されてから、肝臓に運ばれます。そして、再び体が利用しやすいように肝臓がタンパク質に合成し、血液中に放出することで全身に届けられます。
お酒に入っているアルコールも肝臓で分解されます。適量のお酒なら問題ありません。しかし、大量に飲み過ぎると肝臓がアルコールの分解に集中してしまい、タンパク質をスムーズに作り出せなくなります。
アルコールを分解するときに、アセトアルデヒドという有害物質が生まれます。アセドアルデヒトは、吐き気や頭痛、悪酔い、二日酔いの原因となります。このアセトアルデヒドを分解代謝するために、多く消費されるのがアミノ酸です。
だから、上手く肝臓が機能しないとヘアサイクルが乱れて健康な髪が育ちにくくなるんですね。つまり・・肝臓をいじめたらい肝臓!
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お酒のおつまみがベタベタ頭皮の原因に
お酒を飲むと食欲が高まります。そのためアルコールと一緒に、おつまみを食べるという人は大多数を占めるでしょう。
みなさんもご存知のように、ビールやウィスキーと唐揚げやラーメンなど塩っ辛く脂っこいおつまみとの相性は抜群です。しかし、このおつまみが薄毛や抜け毛の要因となることがあります。
唐揚げやラーメンなどの脂っこいおつまみには、脂質や糖質、塩分が多く含まれていて、肥満や高血圧の原因となります。また、脂質を取り過ぎると、皮脂の分泌が盛んになり頭皮ベタベタしがちです。このような脂性のベタベタとした頭皮環境は、雑菌が繁殖しやすく、頭皮の臭いの原因となったり、脂漏性皮膚炎などから脱毛に繋がる可能性があります。
AGAやFAGAの原因である男性ホルモン(DHT)を増加させる
さらに、近年の研究では、アルコールを分解するときに発生する有害物質「アセトアルデヒド」が、「男性ホルモン(ジヒドロテストステロン=DHT)」を増加させるのではないかという報告がありました。男性ホルモンは、AGAやFAGAといった脱毛症の原因となるものです。
少量のアセトアルデヒドなら、肝臓の酵素によって分解され無害なものに変えられます。しかし、飲み過ぎるとアセトアルデヒドの量も多くなるため、肝臓での分解が追いつかず残ってしまい、何らかの作用で男性ホルモンを増加させてしまうようです。しかし、詳しいことまでは解明されていないようなので、最新情報が入り随時追加報告していきます。
冒頭でも説明したように、お酒は「百薬の長」という名の通り、薄毛や抜け毛の予防になることもあります。アルコールは血行改善やストレス解消に役立ちます。しかし、過度に飲み過ぎると薄毛や抜け毛を進行させる「劇薬」となる可能性もあるので注意が必要です。お酒以外にも薄毛の原因となる生活習慣にもあるので心当たりがある方は改めましょう。
お酒と上手く付き合い薄毛・抜け毛を予防
アルコールの適量(ml/日)を知り節酒を心がけよう
薄毛や抜け毛に悪影響を与えないためにもお酒と上手に付き合っていきましょう。
中には、毎日ワインをボトル1本空けるという方もいらっしゃいます。しかし、これは飲み過ぎです適量を守るようにしましょう。一般的にアルコールの適量の目安としては、1日にエチアルコールとして25ℊ程度と考えられています。
ビール | 中瓶1本(500㎖) |
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日本酒 | 一合(180㎖) |
ウイスキー・ブランデー | ダブルで1杯(60㎖) |
ワイングラス | 1.5~2杯(200㎖) |
体重や体質などにより個人差はありますが、この程度の量なら肝臓に負担をかける心配は少なくアルコールの長所を引き出すことができます。薄毛や抜け毛を防ぐためにも、禁酒とは言いませんが、節酒を心がけましょう。
寝る前の飲酒は避け、ゆっくり飲み、休肝日を設ける
寝る前の飲酒は、睡眠の妨げや肥満の元になるのでやめましょう。就寝の2~3時間前の飲酒は控えましょう。先ほどの適量のアルコールの目安でもアルコールを分解処理するまでに約4時間の時間が必要となります。
また、時間をかけてゆっくり飲むと、悪酔いもしにくく脂質値があがりにくいのでおすすめです。「お酒が好きで毎日飲む」という人も多いと思いますが、週に2,3日休肝日を設け肝臓をいたわりましょう。毎日のお酒をやめてから髪が増え薄毛が気にならなくなったというお声も聞きます。
お酒と一緒に食べるおつまみにも気をつけよう
薄毛や抜け毛が気になる方は、お酒のアテとなるおつまみにも気を配りましょう。おつまみ選びには次の2ポイントを心がけてください。
- 唐揚げなど揚げ物のつまみは、高脂肪なのでできるだけ避ける
- 枝豆や冷奴、刺身などあっさりとした低カロリー系でタンパク質を多く含んだおつまみを選ぶ
また、アルコール中毒を予防するために、飲酒後は水やお白湯、お茶などで十分に水分を補給してください。
女性でもアルコール依存症には要注意
アルコール依存症に要注意です。特に、なかなか寝付けないからといって、アルコールの力を借りて眠ろうとするのは避けてください。眠りが浅くなりますし、うつ気分が強まるおそれもあります。暴飲を繰り返せば、アルコールの量が次第に増えてアルコール依存症になってしまうこともあります。
お酒は「現実から逃げたい」「仕事のことを考えると夜中でもイライラして寝付けない」という悩みやストレスがきっかけで飲酒が常習的になっていくことが多いです。男性に比べると数は少ないながらも、最近は女性でもアルコール依存症の方が多く見受けられます。
やはりアルコール依存症の方は、単にお酒が好きというだけではなく、いろいろな悩みが根底にあることがほとんどです。もちろんお酒は絶対に飲んではいけないということはありません。
ただお酒を飲む上で「ここまで」というラインが引けているどうかが、頭皮や毛髪はもとより体の健康のためにも大切です。もし、薄毛だけでなくアルコール依存症で悩んでいる方は、病院やクリニックで精神的な面も含めてケアしていくことが大切です。