キューティクルとは?ツヤのある髪にかかせないヘアケアについて現役美容師がご紹介します!

キューティクル

『キューティクル』って言葉を聞いたことはありますか?

  • 言葉は聞いたことはあるけど、意味がよく分からない・・・。
  • 髪の毛や爪に関係している言葉じゃなかったっけ?
渡辺文暁

このようにキューティクルについて、あまり詳しくご存知ない方が多いと思います。そこで美容師が、みなさんに『キューティクルとは、何なのか』ご説明していきたいと思います。

今から取り上げるキューティクルとは、髪の毛に関係するものです。その為、爪やネイルに関係するものではないことを予めご了承ください。

キューティクルと髪の毛の構造

髪の毛は3層構造(①キューティクル②コルテックス③メデュラ)

キューティクル,コルテックス,メデュラ

『キューティクルとは何なのか』その正体を探っていくうえで、髪の毛の構造について学ぶ必要があります。1本の髪の毛は、上の絵からも分かるように”3層構造(①キューティクル②コルテックス③メデュラ)”で成り立っています。

名称 別名と英語 階層 特徴(構造・役割)
キューティクル  毛表皮、毛小皮、Cuticle  表面  キューティクルは、髪の表面を覆っている部分で、うろこ状(根元から毛先に向い)に一列に重なって並んでいます。健康な髪はキューティクルが何層にも重なり合っています。主成分は硬いタンパク質です。
キューティクルは、外部の刺激から毛髪内部(コルテックスとメデュラ)を守る役割があります。また、髪のツヤや手触りと大きく関係しています。
コルテックス  毛皮質、Cortex  中間部 コルテックスは、髪の毛の太さ、硬さ、強さに影響します。髪の85~90%を占めていて、繊維状のケラチンタンパク質が主成分です。さらに、約10%の水分を含んでいます。これらの成分が、髪の毛のしなやかさや太さに関係しています。
  また、コルテックスに含まれてるメラニン色素の種類と量で髪の毛の色が決まります。つまり、コルテックスは、毛髪の濃さや柔軟性に関係しています。
メデュラ  毛髄質、Medullae  中心部  メデュラは、毛髪の芯となる部分で柔らかなタンパク質と脂質が主成分です。一般的に太い髪ほどメデュラが太くなっています。
また、空洞状の複数の細胞からできており、外的な刺激で細胞同士に隙間ができやすい特徴です。隙間ができると髪の毛が白っぽくくすんで見えます。

キューティクルが傷むと、艶感や手触りが悪くなり、枝毛や切れ毛が起こる

枝毛とキューティクル

表からも分かるように、キューティクルは、髪の毛の表面部分であり、外部の刺激から毛髪内部を守り、髪に艶を与える役割があります

なので、逆にキューティクルが剥がされたり、めくれたりして損なわれると、髪の艶感や手触りが低下します。さらに、髪の内部を保護する役割も損なわれ、内部のタンパク質や水分が流れ出したり、枝毛や切れ毛が起こりやすくなってしまうのです。特に、毛先ほど傷みが進みやすくなります。

渡辺文暁

余談になりますが、日本人の黒髪は直径平均0.08ミリです。比べて欧米人のブロンドヘアは、0.05ミリと細いです。なので、日本人の方が黒く太いので頑丈なイメージですが、実は欧米人の方がキューティクルの強度があり、痛みに強いことが分かっています。

キューティクルのダメージレベル

キューティクル綺麗

渡辺文暁

1枚目の写真は、キューティクルがキレイに整っているので、ツヤもあり触り心地もサラサラで良好!

渡辺文暁

でも、ダメージがひどくなると・・・

キューティクルダメージ

渡辺文暁

うわっと!!2枚目の写真では、見ても分かるように、キューティクルが開いていたり、欠けていたりしていますね!これだと髪がパサパサでツヤ感も最悪です。

キューティクルがダメージを受ける原因

キューティクルが傷つく原因

とは言っても、『どのような時にキューティクルはダメージを受ける』のでしょうか?

キューティクルがダメージを受ける原因はさまざまですが、その多くは①摩擦・②熱・③化学物質の3大ダメージによるものです。3大ダメージ別に、その要因と実例を表にまとめてみました。

摩擦,熱,化学物質

3大ダメージ ダメージを引き起こす要因
摩擦 シャンプー、ブラッシング 無理なブラッシングで、逆毛を立てたりすると、鱗のように重なり並んでいるキューティクルが摩擦で傷つき枝毛ができます。
日差し、紫外線、ドライヤー、ヘアアイロン 紫外線やドライヤーなどの熱にも気をつけましょう。体の最も高い場所にある頭部は紫外線にさらされやすいです。また、ドライヤーの高温の熱が当たり続けたり、近づけすぎたりすることで、毛髪のタンパク質が熱によって変化します。すると。髪はもろく、弱くなってしまいます。
化学物質 パーマやカラー、ブリーチ、縮毛矯正 パーマやカラーリングをする過程で、髪の毛のキューティクルが剥がれ、毛髪内部の必要な栄養素が流出し、ダメージが悪化します。

また、キューティクルにはダメージを受けやすい時があります。いつだと思いますか?

その答えは”髪の毛が濡れている時”です。

髪が濡れている間は、キューティクルが開くため、弱く傷つきやすい状態になります。そのため、”グシャグシャと引っ掻くような強いシャンプー”や”自然乾燥”などはやめましょう。

自然乾燥がダメな理由

キューティクルには自己修復・再生機能がないのでヘアケアが大切

髪には自己修復・再生機能がないので、一度傷めると自然に元の状態に戻ることはありません。つまり、一度キューティクルが傷んでしまうと復活・再生しないのです。さらに、毛髪の一番表面の層であるキューティクルが傷つくと、コルテックスやメデュラにもダメージが及びます。

キューティクルを保護するためには、何よりも毎日のヘアケアを徹底することが大切です。

摩擦をヘアケアで予防

  • シャンプー時にガシガシと引っ掻くように洗わない。
  • ブラッシングやコーミング時の引っかかりに注意する。

熱をヘアケアで予防

  • ドライヤーやヘアアイロンを正しく使う。
  • 日傘や帽子を利用し直射日光を避ける。
  • 頭皮専用の日焼け止めを使用する。
  • オイルパックする。

化学物質をヘアケアで予防

  • ヘアカラーやブリーチ、パーマや縮毛矯正を控える。
  • 白髪染めをする人はヘアマニキュアなどダメージが少ないヘアカラー剤を使用する。
  • 洗浄力・刺激が強い『石油系シャンプー』ではなく、洗浄力がマイルドな『アミノ酸系シャンプー(オーガニックシャンプーなど)を使用する。

ドライヤーの正しい使い方

すでにダメージを受けたキューティクルはトリートメント補修で対策

キューティクル補修トリートメント

キューティクルには、自己修復力は無いと話しましたが、補修することはできます。ヘアトリートメントやヘアコンディショナーには、髪を補修する成分が入っています。

ダメージヘアにはトリートメントを上手く利用して、髪の毛の栄養成分を補い補修しましょう。これでさらなるダメージを予防対策できます。

ヘアトリートメントについて洗い流さないトリートメントについて