【デジタルパーマとは】普通のパーマとデジパの違い(持ち・乾かし方)&失敗への対処法6選
デジタルパーマをご存知ですか?
今はヘアカラーの全盛期。さらに、自宅でカールアイロン(コテ)を使う人が増加しているのが現状。なので、パーマの人気は下火になりつつあります…。
その一方で、「コテで髪を巻くのは面倒」、「あのゆるふわな感じが好き」など、根強いファンを持っているパーマ。数ある種類の中でも、デジタルパーマは「カール・ウェーブの”持ち”や”かかり具合”が不安な人」におすすめです。
デジタルパーマって何?普通のパーマと何が違うの?
実は、普通のパーマよりもデジタルパーマはかかり・持ちが良いんだよ。でも詳しいことを知らない人が多いよね。そこで今回はデジタルパーマついて学んでいこう!
デジタルパーマとはホット系パーマの仲間
デジタルパーマは、”薬剤”と”熱”の力を利用するホット系パーマ(↔︎コールド系パーマ)の仲間。「デジパ」の愛称でも親しまれています。
デジタルパーマでは、薬剤を塗った髪の毛を加熱ロッドで巻き、専用の機械で加温しながらカールを定着させます。
普通のパーマ(コールド系パーマ)が薬剤の力のみで癖付けするのに対し、ホット系パーマは薬剤+熱の力のダブルパンチにすることでパワーアップ!!
ホット系パーマ(デジタルパーマ、縮毛矯正など)の種類&特徴
ホット系パーマは「タンパク質の熱変性」を利用します。
タンパク質の熱変性とは、髪の主成分であるタンパク質が、熱を加えられると固まり、元の形状に戻らないという現象。この特性を利用したのがホット系パーマで、「形状記憶パーマ」とも呼ばれ比較的手入れが簡単。
実は、縮毛矯正やアイロンパーマも同じホット系パーマの仲間。表で整理しておきましょう。
デジタルパーマ | アイロンパーマ | 縮毛矯正 | アイパー | |
---|---|---|---|---|
加温アイテム | 電熱ロッド | カールアイロン(コテ) | ストレートアイロン | ストレートアイロン |
仕上がり | カール・ウェーブ | カール・ウェーブ | 直毛 | オールバック、リーゼント |
形状記憶力・持ちが良い&1番パーマ感が出るのは乾燥時
したがって、デジタルパーマは通常のパーマ以上に「持ち」、「形状記憶力」が強く、「巻き髪風」、「くっきりリッジのあるカール」の形成に優れています。
また、通常のパーマは濡れている時に、カール・ウェーブが一番出るのですが、デジタルパーマの場合は、ドライ時の状態で一番カール・ウェーブが再生する再現性の高さも魅力。
一方で、デジタルパーマは熱を加える分、ヘアダメージは大きくなります。また、根元からかけられない、1度かけたら元に戻すのは困難というデメリットも。デジタルパーマをとるには、縮毛矯正が必要です。
デジタルパーマの持ちは何ヶ月?
デジタルパーマは、コールドパーマよりも約1.5~2.5倍くらいの持ちがあります(髪の癖や特徴や使用する薬剤、美容師の技術などで誤差あり)。通常のデジタルパーマは、4~5ヶ月後位からカールやウェーブがとれ始め、完全にとれるまで長い人だと半年~1年かかります。
仕組み | 持ち | 質感 | パーマの再現 | メリット | デメリット | 適した髪質・長さ | 仕上がり | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ホット系 | パーマ剤(還元・酸化作用) 熱の力(タンパク質変性) |
良い | 熱による独特の硬さ、弾力がある | 乾いてる時に一番かかる | シスチン量の少ない髪でもかかりやすい キューティクルの厚い髪でもかかりやすい ダメージヘアにかけられる |
熱によるダメージがある ロッドが操作性が悪く、小さく細かなカールは困難 ショートスタイルに使いにくい |
細/硬、太/硬 ミディアム、ロング |
くっきりリッジの効いた巻き髪風 |
コールド系 | パーマ剤(還元・酸化作用) | 劣る | 柔らかい質感、弾力性は劣る | 濡れている時に一番かかる | 熱によるダメージがない ロッドの操作性が良く、小さく細かなカールも可能 ショートスタイルでも使いやすい |
シスチン量の少ない髪はかかりにく キューティクルの厚い髪はかかりにくい ダメージヘアはかかりにくい |
普通、細/軟、太/軟 ショート、ミディアム、ロング |
ゆるふわ自然なカール |
【スタイリング法】デジタルパーマの乾かし方&おすすめのスタイリング剤
折角のデジタルパーマも、スタイリングがメチャクチャだと台無し…ということで、現役美容師が、デジタルパーマの質感を活かすスタイリングのコツを伝授!
デジタルパーマのスタイリング・ポイントは大きく3つ。
- ヘアスタイル・パーマの当たりを明確化
- 乾かし方
- スタイリング剤の選択・使用
1.まずは理想のヘアスタイル・パーマ感をイメージ
まずは、あなたの理想の最終的な仕上がりをイメージすることが大切。なぜなら、乾かし方やスタイリング剤の選択・使用法が変化するため。
まずは「①ゆるふわ自然な無造作カール」か「②しっかり巻き髪風カール」、どちらがあなたの理想のヘアスタイル・パーマ感なのか明確にしましょう。
2.デジタルパーマの乾かし方
ここではデジタルパーマの乾かし方を、2通り(①ゆるふわ自然な無造作カール、②しっかり巻き髪風カール)ご紹介。この2つは途中工程までは同じです。
- 髪を軽く濡らし癖を取る。
- ドライヤーで髪の根元→中間を乾かす。
- 50~60%くらい乾かしたら、①②のスタイリング法にシフト。
デジタルパーマの質感を活かすには、クシよりも手ぐしで乾かすのがコツ。
また、ドライヤーで乾かす前に、洗い流さないトリートメント(ヘアオイル・ヘアミストなど)を付けることをおすすめします。洗い流さないトリートメントを使用することで、パーマの再現性を高めたり、ドライヤーの熱ダメージを抑制できます。
自然乾燥で乾かすのはおすすめしません。髪が濡れている状態が長く続くのはヘアダメージの原因となります。
【スタイリング方法①】ゆるふわ自然な無造作カール
今風のゆるふわ自然な無造作カールが、理想な人におすすめの乾かし方。
指に髪の毛を巻きつけるのではなく、掌に髪の毛をのせ軽く包み込むように握り、自然なカール・ウェーブを保ちながら、ドライヤーを当てるのがコツ。
【スタイリング方法②】しっかり巻き髪風カール
しっかり巻き髪風カールが、理想な人におすすめの乾かし方。
指に髪の毛を捻り巻きつけ、カール・ウェーブを保ちながら、ドライヤーを当てるのがコツ。1本・2本と指の本数を変えることでリッジの調整が自由自在。
癖をつける為に、同じ箇所を温め続けることはNG!それよりも髪が80~90%乾いたら、冷風に切り替えカール・ウェーブの定着力をUP!
3.美容師おすすめデジタルパーマ向けスタイリング剤
デジタルパーマの質感を活かすには、スタイリング剤選びも重要。
特に、デジタルパーマは、髪の硬さやダメージが気になります。したがって、スタイリング剤を選ぶ時は、保湿性に優れたものがおすすめ。保湿性の高いスタイリング剤は、髪の表面を油分でコーティングしてくれるので、毛髪内部の水分の蒸発を防ぎ、しっとりまとまります。
さらに、あなたの「髪の長さ」、「好みの質感」に合わせて、デザインパーマ向けのスタイリング剤を選びましょう!しかし「何を選べば良いのか迷う方」が多いと思います。そこで、美容師がデジタルパーマにおすすめのスタイリング剤をまとめてみました。
美容師が教える!デジタルパーマの失敗への予防&対処法6選
「失敗と成功は隣り合わせ」それはデジタルパーマの世界でも同じ。「パーマがかかりすぎ…」「チリチリでゴワつく…」などの失敗談をしばしば耳にします。
特に、デジタルパーマはタンパク質の熱変性を利用するので、失敗すると直すのが大変…
誰でも失敗は嫌ですよね。そこで美容師がデジタルパーマで失敗しない為の10ヶ条を伝授します。さらに、デジタルパーマで失敗した時の対処・修正法も合わせてご紹介します。
デジパの失敗予防法
デジタルパーマは、失敗すると大惨事です。したがって、失敗を避ける為の下準備が大切。
①デジタルパーマが得意な美容師を探す
デジタルパーマを成功させる為に一番大切なことは、美容師選び。
美容師は、お客様の髪質をチェックした上で、薬剤やロッドの温度設定を調整します。この見極めは、一朝一夕で身に付くものでははない為、美容師の経験・技術力が現れやすいのがデジタルパーマ。
したがって、失敗を防ぐ為にも、デジタルパーマを得意とし、信頼できる美容師を探すのがベスト。
②指名予約+事前にデジタルパーマを考えてることを相談
もし、予約の際に美容師を指名予約できるならしておきましょう。また、予約の段階で、デジタルパーマを考えていることを予め伝えておくと、失敗する確率が低くなります。さらに、電話やサイトを使って事前に相談してみるのもおすすめです。
③美容師と自分の理想のイメージを共有
美容師と「自分の理想のヘアスタイル」を共有することも失敗しない為には大切。
イメージの共有が一致すれば、失敗の確率はかなり減ります。デジタルパーマをかける前に、「カールの大きさ」、「ヘアスタイルとカールのかかり方(上から欲しい、頬から?リップラインから?顎下から?)」、「スタイリングの仕方」などの情報を共有しましょう。
デジパを失敗した時の対処・修正法
もしも、デジタルパーマが当たりすぎたり、チリチリになったりと失敗してしまった時の対処・修正法をご紹介します。デジタルパーマの失敗は大きく「①パーマのかかり過ぎ」「②パーマのかかりが弱い」場合の2パターン。①②で対処・修正法は異なります。
①縮毛矯正
①の場合の対処・修正法として行われるのが縮毛矯正。
デジタルパーマを直すには、同じホット系パーマの仲間である縮毛矯正を当てる方法があります。髪の長さを変えずに修正できます。しかし、熱を再度加えるので髪にかかるダメージは大。
②髪を切る
①の場合の対処・修正法として行われます。
髪を痛めることなく、デジタルパーマのかかり過ぎを修正できます。しかし、髪は当然短くなってしまいます。
③デジタルパーマの掛け直し
②の場合の対処・修正法として行われます。
もし、デザインパーマの出来栄えに不満な場合は、デジタルパーマのかけ直しを要求しましょう。ただし、これも縮毛矯正と同じくさらなる負担が髪にかかります。
お直し期間を利用!返金対応がOKの場合もある
大抵ヘアサロンでは、お直しの期間を用意している店がほとんど。かけ直し期間は、ヘアサロンによってまちまちなので一概には言えませんが、平均的に1週間~10日前後が多いです。
期間内なら無料で承ってくれるはずなので、遠慮せずに利用して下さい。また、あまりに酷い場合は、返金を受け入れてくれるヘアサロンもあります。
デザインパーマは、通常のパーマより形状記憶に長けているため、自宅で「再現」しやすいです。ただ、上手にスタイリングするためには、コツも必要なので、上手くコツを掴んで上手なスタイリングを目指してくださいね。