ジアミンとは!?頭皮のアレルギー症状(かぶれ等)は白髪・オシャレ染めが原因かも!

ジアミンという用語をご存知ですか?

ヘアカラーで髪を染めた時、「頭皮がかぶれた…」「頭がヒリヒリする…」といった経験はありませんか。もしかすると、それはジアミンが原因の症状の可能性があります。

ジアミンは、白髪染めやオシャレ染めの着色・発色を向上させる物質である一方で、アレルギー症状の原因物質ともなります。つまり、ヘアカラーにおいて、ジアミンは、重要な役割を担う物質でもありますが、アレルギー症状の原因にもなり得る厄介な物質でもあります。

したがって「ヘアカラーを使用する人」は、ジアミンについて勉強することが大切!一緒にジアミンについて学んで行きましょう。

ジアミン(パラフェニレンジアミン,PPD)とは

ジアミンは酸化染料の仲間!メリット・デメリットを学習

まずは「ジアミンとはどんな物質」なのか説明していきます。市販品・サロン専売品に限らず、ジアミンはヘアカラー剤に配合されている成分です。

ジアミンとは「白髪染め(白髪用)」や「オシャレ染め(黒髪用)」等のヘアカラー剤に、広く配合されている酸化染料の一つ。正式名称は「パラフェニレンジアミン(英名=phenylenediamine,Diaminobenzene,PPD)」。

ヘアカラー剤と呼ばれる製品は色々な種類があります。例えば、ヘアカラーやヘアマニキュア、ヘナ、カラートリートメントなどです。

中でも、ジアミンは「酸化染毛剤(アルカリカラー剤)」の染料として使用されています。

【メリット】発色・着色力の高さが魅力

ジアミンは酸化染料の仲間です。酸化染料は、毛髪内部で酸化結合して高分子化して発色します。その為、毛髪内に定着しやすく色持ちが良いという長所があります。下のリストのように酸化染料には色々な種類があります。

ヘアカラー剤に使用される主な酸化染料
パラフェニレンジアミン 硫酸トルエン2,5-ジアミン パラアミノフェノール オルトアミノフェノール
メタアミノフェノール パラアミノオルトクレゾール 塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール レゾルシン

赤字アレルギー発症の報告が多い酸化染料

リスト中に”ジアミン”と名前がつく酸化染料がいくつか登場しています。
実は、ジアミンという略語は漠然と使用されている言葉。そのため狭義では「パラフェニレンジアミン単独」を表す場合、より広義では“ジアミン”と名前のつく酸化染料、または、酸化染料全般のこと等、はっきりとした定義はなく使い方は曖昧。

【デメリット】アレルギー症状(かぶれ等)を引き起こす危険性がある

酸化染料の、発色・着色の良さは魅力的です。しかしそれと引き換えに、刺激性があり体質や肌状態によってはかぶれなどのアレルギーを起こす危険性があります。
アレルギーの発生率は、個々の酸化染料によって異なります。中でもジアミンはアレルギーの発生報告例は多くなっています。

ジアミンが引き起こすアレルギー症状(かぶれ等)まとめ

では、ジアミン染料を使用することで、どのような危険性があるのか確認していきましょう。ジアミンの影響で「かぶれ(接触性皮膚炎)」が起こることがあります。かぶれは大きく2種類に分けられます。

刺激性接触皮膚炎 アレルギーを原因としないかぶれ。薬剤の接触後、あまり時間を置かず症状が現れる。
アレルギー性接触皮膚炎 アレルギーを原因とするかぶれ。薬剤の接触後、時間を置いて症状が現れることが多い(6時間~12時間後)。

アレルギーとは
アレルギーとは誰にでも起こるのではなく、ある特定の人にだけ起こる免疫機能の異常反応のことです。

ジアミンアレルギーとは
美容業界では、「酸化染料」が原因で起こる「アレルギー性接触皮膚炎(遅延型アレルギー反応)」のことを「ジアミンアレルギー」と呼んでいます。

具体的にどのような症状が現れるのか確認していきましょう。

かぶれ

ジアミンが原因の症状としては「かぶれ」が典型です。頭・髪の生え際・顔・首筋などに以下のような症状が現れます。

  • かゆみ
  • 腫れ
  • 赤み
  • 痛み
  • ブツブツ(丘疹や小水疱)

かぶれの程度・発症時間はさまざま

かぶれの程度はさまざまです。かゆみしか感じない軽いケースもありますし、赤く腫れて強い痛みを感じる症状が重いケースと色々。また、アレルギーが軽い場合でも、ヘアカラーの使用を繰り返したり、頻度が多かったりすると、次第に症状が重くなり、目のまわりや、顔全体がひどく腫れてしまうことがあります。

極稀に重篤なアレルギー反応「アナフィラキシー」を起こす危険もある

さらに、症状が酷くなると「アナフィラキシー」という重度のアレルギー反応を起こすことがあります。アナフィラキシーが起こると、ヘアカラー剤が接触した部分のみでなく、全身に症状が及ぶこともあります。また、症状も重く、生死に関わる場合もあるので注意が必要です。

  • 動悸
  • 嘔吐
  • 全身蕁麻疹
  • 呼吸困難
  • 血圧低下
  • 意識障害

ジアミンアレルギーへの対処法・治療法

ジアミンを配合した白髪染め・オシャレ染めを使用すると、必ず100%かぶれやアレルギー反応が起こるわけではありません。体質や肌の状態によって違い、確率としては低く稀なケースです。

ヘアカラーの繰り返しの使用でかぶれが悪化することもある

しかし、過去に何回もヘアカラー剤を使用してかぶれなかった人でも、突然アレルギー症状が出る場合もあります。また、徐々に症状が悪化していき、アナフィラキシーに至ることもあります。

もし、これまでに一度でもヘアカラー剤を使用してかぶれ等の症状が現れた場合は、決してそのヘアカラー剤を使用しないで下さい。

皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を実施しよう

白髪染めやオシャレ染めを使用する場合は、アレルギーの有無を確認することが大切。その為には、あらかじめ染毛の48時間前に「皮膚アレルギー試験(パッチテスト)」を実施しましょう。

パッチテストの結果、アレルギー反応が現れず問題がないことを確認後、ヘアカラーで施術しましょう。もし、パッチテストの段階で、かぶれなどの異常が現れた場合は、そのヘアカラー剤の使用は控えて下さい。

かぶれが現れたら病院に受診して治そう

ヘアカラー剤の塗布後、かぶれなどの症状が現れた場合は、速やかに使用を中止し薬剤を洗い流しましょう。そして、症状が治まらない場合、アレルギー性接触皮膚炎の場合は、病院に行き医師(皮膚科が望ましい)に受診して下さい。市販のお薬で自力で治そうとするのはオススメしません。

「ジアミンフリー」のヘアカラー剤(ヘナやヘアマニキュア、カラートリートメント)を代用

「かぶれやジアミンアレルギーのリスクを極力抑えながら、安全に髪を染めたい」という人には「ジアミンフリー」のヘアカラー剤がおすすめ。

「ジアミンフリー」とは、ジアミンが配合されていないヘアカラー剤です。色持ちはジアミンが配合されているものと比べて劣りますが、比較的安全性が高く、頭皮・毛髪をいたわりつつ染めることができます。

ジアミンフリーのヘアカラー剤としては、天然染料や酸性染毛料、塩基性染料、HC染料が主体のものを選ぶと良いでしょう。例えば、「ヘナ」や「ヘアマニキュア」、「カラートリートメント」といったヘアカラー剤ですね!