ヘナは髪に優しい白髪染め♪美容師が教える!ヘナの色味・効果・使い方
みなさん「ヘナ」って知っていますか。
美容院や自宅で白髪染めの経験がある方なら、一度はその噂を耳にしたことがあるでしょう。そう!
ヘナは植物成分100%で出来た髪に優しい白髪染め
ヘナは「安心して使える天然の白髪染め」「植物由来で、髪が傷まずかぶれの心配もなく安心安全」と評判で、人気が高まっています。しかし、みなさんヘナについて知らないことも多いはず。
- ヘナって何?
- ヘナで白髪は綺麗に染まるの?何色に染まるの?
- ヘナの作り方や使い方はどうするの?
- おすすめのヘナ製品は?
そこで美容師が、みなさんのヘナについての気になる疑問にお答えしていきます。ぜひアレルギー等が原因でヘアカラーを諦めていた方や、より知識を深めたい方は参考にして下さい。
ママが白髪染めで頭皮がピリピリするって困ってるのよ。「ヘナはかぶれない」って聞くけど本当のところはどうなの?
うん。ヘナは植物の葉が原料でお湯と混ぜて使うから、刺激が少なくて髪にも優しい染料だよ。でも、色々と注意して欲しいこともあるから、ママの為にも一緒にヘナのメリット・デメリットについて学んでいこう。
ヘナとは?
ヘナは潅木の葉から採れる植物由来100%の天然染料
まずは「ヘナとは何なのか」基本的なことを説明していきます。
ヘナ(ヘンナ)とは、ツマクレナイノキ等のミソハギ科の灌木のこと。インドなど熱帯地方に多く生息し、乾燥・寒暖の差が激しい地域でも育つ生命力が強い木です。
ヘナの葉には「ローソン」と呼ばれる赤橙色(淡いオレンジ~淡い赤色)の天然色素が含まれていて、白髪染めの染料等に利用されています。
ローソンはタンパク質と結びつく性質があるので、毛髪以外にも、皮膚、爪、革、絹、羊毛の天然染料として使用されます。
わたしヘナタトゥーに挑戦してみたいわ。
ヘナの色は”赤橙色”
ヘナの色素ローソンは赤橙色をしています。
白髪を”ヘナ100%の染料”だけで染めた場合は「淡いオレンジ~淡い赤色系」の色味になります。つまり、ヘナ単体では「茶や黒」に染めることは出来ません。
”黒茶色”はインディゴ等他の染料を混ぜて表現している
したがって「黒や茶色系」の色味を表現するのに他の染料が調合されます。例えば、”インディゴ(藍の染料)やクチナシ等他の天然染料”が混ぜられています。
ナイアード公式サイト
白髪が100%の髪に、ヘナ100%の染料で染めるとかなり明るめの赤橙色に仕上がります。白髪割合が増えるにつれ、仕上がりは明るく感じます。
暗めの色にしたい人は、”インディゴ”や染料ハーブを調合したタイプを選びましょう。また、色見本を確認することも大切。
ヘナの香りはどんな匂い
ヘナ自体の香りは、葉っぱの匂いです。干し草のような、ヨモギのようなハーブっぽい香りがします。薬草のような香りなので、好き嫌いが別れると思いますが、好きな人によっては、疲れた体や心を癒しリラックスさせてくれる香りです。
また、ヘナに調合されたハーブによって、香りが変化するのも魅力的です。
色持ちは2~3週間、10~20日に1回の頻度で染め直す人が多い
ヘナの色持ちはおよそ2~3週間前後です。ヘナは染めた後も酸化とともに色味が若干変化し、製品にもよりますが少しずつ退色していきます。
一般的には2~3週間おきに染める方が多いです。色持ちに関しては、白髪染めの中でもヘアマニキュアと同じくらいです。
もっとも、ヘナは髪や地肌に負担が少ないので、短い間隔で使用しても問題はありません。白髪が気になった時に、いつでもお使いください。
ヘナの効果・効能
ヘナには髪を染める効果があり、ヘアサロンでは白髪染めやトリートメントメニューとして古くから取り扱われています。ヘナには毛染め以外にも、色々な効果・効能が期待できるのでご紹介していきましょう。
髪を傷めにくく安全に白髪染めできる
植物性の染料であるヘナは、一般的な白髪染め(永久染毛剤)と比べ髪を傷めにくく安全に染められます。愛用者さんの中には、アレルギーや敏感肌で化学成分が体に合わないという理由で、使っている方が多くいらっしゃいます。
ただし、卵や牛乳、小麦粉、ピーナッツを食べるとアレルギーが現れる人がいるように、ヘナやインディゴに反応して植物アレルギー反応が現れる方もいらっしゃいます。
したがって、ヘナを使用する前に必ずパッチテストを行いましょう。
トリートメントとして髪・頭皮を健やかな状態に
ヘナには髪や頭皮を健やかに保つトリートメントとしての効果があります。ヘナがキューティクルを引き締めてくれ、うるおいなめらかな髪質に導いてくれます。
また、ヘナには抗菌作用があるので、頭皮を細菌などから守りフケやかゆみも防ぎ、健やかな地肌に導いてくれます。
ニュートラルヘナとは
ニュートラルヘナと呼ばれる製品は、ヘナのようなトリートメント効果をうたうものです。ニュートラル=無色ということからも分かるように、染色効果はないので注意しましょう。
ヘナ染めのデメリット・注意点を学び、安心安全に使おう
植物性の染料であるヘナは、安全性が高く比較的安心して染められます。しかし、デメリットや注意点もあります。
ヘナの染毛力は弱い
ヘナの染毛力はヘアカラー剤に比べて高くはありません。その為、染毛力を高めるために、他の植物染料やヘアマニキュアなどに使われている染料が配合されていることがあります。したがって、繰り返し使用することで染毛効果がより実感できるようになります。
髪色は明るくならない
ヘナには脱色作用はなく、日本人に多い黒髮を明るくする効果はありません。一般のカラー剤のようにアルカリ性ではないので黒髪に染めても発色しません。
その為、黒髮を明るくするには、ブリーチなどで脱色する必要があります。しかし、ブリーチ剤には化学成分が含まれているので、ヘナの使用目的を考えると相性は良くないでしょう。したがって、基本的にヘナは白髪染めとして使うことが多いです。
〈ブリーチ×髪色〉美容師が語る!ブリーチ初心者に知ってほしい7つの常識
長期間の使用で他のカラー剤が綺麗に発色しないことがある
ヘナで染めた髪に、アルカリカラーやヘアマニキュアなど他の白髪染めを使うと、上手く発色しないケースがあります。経験上ヘナはトーンアップがしにくいのが難点。
実際に、私が働くサロンに、何年もヘナを愛用してきたお客様が、気分転換に明るめの茶色のアルカリカラーにカラーチェンジにしたいと訪れてきてくれました。しかし、髪にはヘナが染まりすぎていて、ブリーチを繰り返しても脱色しきれない色素があり、暗めの緑色にしかトーンアップできなかった事例がございました。
長年ヘナを使用し続け場合、トーンアップがしにくくカラーチェンジが難しい場合があることを覚えておいて下さい。
安全性は高いが稀に植物アレルギーが現れる人もいる
植物性の染料であるヘナは、安全性が高く比較的安心して染められます。ただし、100%ヘナでも稀にアレルギーでかぶれやかゆみが現れる人もいます。
卵や牛乳、小麦粉、ピーナッツを食べるとアレルギーが現れる人がいるように、稀にヘナやインディゴに反応して植物アレルギーが現れることがあります。
使用前にパッチテストを必ず行いましょう。
ジアミン等の化学染料が配合されたヘナ製品も存在する
市販で売られているヘナ製品は「自然由来食物性成分100%」のものばかりではありません。
先ほど説明したように、天然のヘナだけでは黒色に染めることは出来ません。その為、黒髪にしたい人向けに販売されているヘナ製品の中には、黒や茶色に染めるための染料がプラスされます。ヘナ製品の中には、ヘナやインディゴといった天然成分だけでなく、”ジアミン(PPD)”などの化学染料(アレルギーの原因となる物質)が含まれているものもあります。
刺激の少ない天然成分の場合は心配が少ないのですが、「一般的な白髪染め(永久染毛剤)」に使われるジアミンなど刺激性のある化学成分が配合されている場合もあります。意図せぬ化学成分が、原因でかぶれを起こす心配があります。ヘナだから100%安心安全と過信してはいけません。
そこで、ヘナ製品を選ぶ際には、最低でも次のことを確認しましょう。
- 商品パッケージに「ナチュラル」「天然」などと記載されていても、成分表で配合成分を確認する。
- 成分や使用方法について、美容師や、メーカーのお問い合わせ窓口、販売員に尋ねてみる。
ペーストの作り方・ヘナの使い方を動画で学び、自宅でセルフカラーに挑戦!
百聞は一見にしかず、ヘナで有名なナイアード(naiad)が動画でヘナの使い方を解説してくれているのでご覧下さい。こちらの動画では「ヘナ+木藍」を使い、ペーストの作り方、塗り方、発色を良くするコツ、置き時間などを分かりやすく解説していくれているのでオススメです。
- Q 自宅で自分で染めるのは難しい?
- A今までに、ご自身で白髪染め等をした経験がある方なら、問題なくヘナを使い染めることができると思います。
- Q 塗ってからどの位の時間置けばいいの?
- A製品にもよりますが、ぬるま湯(45℃程度)でヘナを混ぜ、塗布後長めに(1時間~)時間を置き色を定着させましょう。
- Q ヘナはどの位の間隔で染めればいいの?
- Aヘナは、ほぼ髪にノーダメージで染めることが可能。なので、一般的なカラー剤のようにカラーダメージを考慮して、次回染めるまで時間を空ける心配はありません。退色や白髪の伸びを感じたら使用するという感覚で大丈夫です。
ヘナ製品の種類(パウダー、シャンプー、トリートメント)は豊富
ヘナを使用した白髪染めには、さまざまな種類があります。例えば
- ヘナを葉を乾燥、粉砕して粉状にしたパウダータイプ
- ヘナパウダーやヘナエキスを配合したシャンプーやトリートメント
いずれの種類もヘナの色素成分が髪のたんぱく質に結びつき、髪を傷めず白髪を染めることを目的としていて、数種類の色の中から希望の色を選択できる商品もあります。
ただし、全てが期待通りの染毛力があるかというと違います。
国民生活センターの「ヘナ配合の白髪染めをうたった商品(概要) ―染毛効果を中心に― 」では、パウダータイプ、クリームタイプ、シャンプータイプ、トリートメントタイプなどで染毛力をテストした結果が以下のように報告されています。
ヘナ色素ローソンはパウダータイプやクリームタイプの一部には含有していたが、ほと んど検出されない銘柄もあり、それらはローソンによる染毛効果は期待できないものであった。また、表示からみると他の染料を配合しているものも多かった
ヘナの色素成分であるローソンがほとんど入っていない銘柄にも、「ヘナ」により染 毛されると受け取れる表示があり、誤認を招くおそれがあった
国民生活センターのデータからも分かるように、クリーム・シャンプー・トリートメントタイプのヘナ製品の染毛力は、高くはなく満足度も低かったようです。
一方でパウダータイプに関しては次のように報告されています。
「白髪が染まっているか」、「白髪等が目立つかどうか」に関しては、比較的評価が高 かったのはパウダータイプの 3 銘柄(No.2、3、4)で、ある程度白髪が染まってはいるが、 白髪等がやや目立つという評価であった。
パウダータイプで繰り返し使用したり、塗布後の放置時間を長くすると評価が高くなったが、実際に使いたいと評価されたのは 3 銘柄であった
パウダータイプでは、表示から読み取れる範囲で商品を髪の毛に塗布してからの放置時間を長くする、繰り返し染毛するなどの工夫をすると、染毛効果が向上した。思い通りの色合いに仕上げるためには、なるべく染毛に手間をかけたほうが良い。
したがって、ヘナを白髪染めとして使用する場合は、パウダータイプのものを選んだ方が無難でしょう。また、ほとんどのヘナユーザーは「自然由来の染料で白髪を染めたい」と希望している方だと思います。したがって、なるべくヘナやインディゴなど自然由来100%に近いパウダータイプを選ぶことをおすすめします。
美容師おすすめヘナブランド
セルフカラーをするためのヘナは、ヘアサロンやドラッグストア、webショップ等で購入でき、少し経験のある方なら簡単に自分で染めることができます。
実際の使用感や人気・評判・口コミなどを元に、自然由来成分100%のパウダータイプのヘナをいくつかおすすめさせて頂きます。筆者が個人的に良いと感じたオーガニックで髪に優しいおすすめヘナを、素材、価格等に絞って数点セレクトしてみました。
Naiad(ナイアード)
ナイアードは、先ほどの動画(ペーストの作り方・ヘナの使い方)でも紹介した、国内でも人気の高いヘナブランドです。インド産の厳選されたヘンナや木藍、ハーブを配合しており、トリートメント性も高いおすすめの製品です。先ほどの国民生活センターで評価の高かったヘナブランドの3つの中の1つです。
ヘナ100% | ヘナ+木藍 | ヘナ10種のハーブ | |
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外箱 | |||
色 | オレンジ〜赤褐色系 | 黒茶系 | オレンジ〜赤褐色系 |
おすすめユーザー | ヘナ100%のシンプルさをお求めの方 | 白髪を落ち着いた色に染めたいお求めの方 | トリートメント効果+ハーブの香りをお求めの方 |
取扱店 | Amazon | Amazon | Amazon |
「ヘナ100%」や「ヘナ+木藍」、「ヘナ+ハーブ10種」などのラインナップがあり、保存料、着色料、化学染料等の添加物は一切使用しないことにこだわったブランド。
「自分で染めるのは嫌」だという人は、ヘナ染め専門の美容院も登場してきていますので、一度相談に行ってみてはいかがでしょうか。