髪色(黒・白・茶・赤・金)を決めるのはメラニン!
人によって、髪色が違うことを不思議に感じたことはないですか?きっと誰でも一度はあるはずです。特に、日本人と外国人では、地毛の色は全く異なりますよね。
「アメリカ人みたいな綺麗なブロンドヘアに憧れる~!ヘアカラーをせずに、あの金髪を手に入れたい!」と考えたこともしばしば・・・・
確かに、日本人の地毛は、黒や茶などの濃い色の方がほとんどです。一方で、アメリカやロシア、イタリア、フランスなど海外に目を向けると、ブロンド、赤、グレー、シルバーなどなど色々な髪色の人がいます。
ですが、そもそも「地毛の色って何によって決まるのか」気になるところではないでしょうか。そこで、これから一緒に「髪の色(黒・白・茶・赤・金)が何によって決まるのか」学んでいきましょう。
髪はメラニン色素の影響で染まる
ズバリ、その答えはメラニン色素にあります。「メラニン色素?」という方も多いと思うので、簡単に説明していきます。
メラニン色素とは、毛髪や肌に含まれる色の源となる小さな粒です。
メラニン色素は、「メラノサイト」という細胞により毛根内で作られ、髪の赤ちゃんである「毛母細胞(毛母細胞自体は無色)」に渡されます。そして最終的に、髪内部のコルテックスに蓄えられることで色が付くのです。
主に、髪の毛はタンパク質でできていて、なんとメラニン色素の割合は5%以下です。でも、メラニン色素は、髪を染める縁の下の力持ちとして頑張っているのです。
つまり、毛髪内部にあるメラニン色素によって、髪が染まるのというわけですね。
また、メラニン色素は白髪とも大きく関係しています。白髪は、メラニン色素が少ない状態です。白髪の原因について詳しく知りたい人はリンク先をチェックして下さい。
髪に色が付く理由は判明しました。しかし、ここで問題です。
メラニン色素が色の決め手ということなら、それを持っている全員が同じ髪色になるのではないでしょうか?なぜ、黒・白・茶・赤・金とカラーの違いが生じるのでしょうか?
今からその答えを探っていきましょう。
髪色はユーメラニンとフェオメラニンで変化する
実は、メラニン色素と呼ばれるものは2種類存在します。ユーメラニンとフェオメラニンの2種類で、各々の特徴はこちらです。
- ユーメラニン
- 黒系~茶系の色で、髪色の濃淡に影響する(多いと暗く、少ないと明るくなる)。ブリーチ剤によって分解しやすい性質を持つ。
- フェオメラニン
- 赤系~黄系の色で、髪色の暖色に影響する(多いと赤色、少ないと黄色になる)。ユーメラニンに比べて強く。ブリーチ剤でも分解されにくい性質を持つ。
そして、髪の色はこの2種類の組み合わせとその量で変化します。つまり次のような公式になるのです。
ユーメラニンの量+フェオメラニンの量=髪の色
髪色(黒・茶・赤・金・銀・白)とメラニンの関係
それでは、メラニン色素がどのように髪色に影響するのか、黒・茶・赤・金・銀・白と髪色別に表にまとめてみました。
黒髮 | 茶髪(ブラウン) | 赤髪 | ブロンド(金髪) | シルバー・白髪 | |
---|---|---|---|---|---|
メラニンの総量 | 多い | ほどほど | ほどほど | 少ない | ほとんどない |
ユーメラニンの割合 | 多い | ほどほど | 少ない | 少ない | – |
フェオメラニンの割合 | 少ない | ほどほど | 多い | 多い | – |
この表からも分かるように、メラニンの量が多ければ多いほど黒くなり、少なければ少ないほど薄くなっていきます。
また、ユーメラニンの割合が多いと黒や茶、逆にフェオメラニンの割合が多いと赤や金となるのです。
このようなメラニンの量やユーメラニンとフェオメラニンの割合の違いは、人種によって異なります。つまり、遺伝が大きく影響しています。
白髪は人種を超えて起こる
しかし、白髪は日本人でも外国人でも共通して起こります。
なぜなら、人種に関係なく歳をとるとメラニンの量が減少するためです。
研究からも、老化が原因でメラニン色素を作るメラノサイトの数が減少したり、その働きが衰えてくることが分かっています。
メラニンの量自体が減ってしまうので、白髪が目立ってくるというわけです。
また、アルビノ(先天性白皮症、先天性色素欠乏症)といって元々メラニン色素を上手く作れない人々がいます。アルビノの人は老化に関係なく、生まれつき遺伝の影響で、メラニンが上手く作れない体質なので、地毛の色がシルバーや白と薄い色をしています。
ブリーチ剤で脱色しやすい”ユーメラニン”脱色しにくいフェオメラニン
黒髮をブリーチ剤で脱色すると、赤褐色→赤みの強いオレンジ→黄みの強いオレンジ→黄色と、塗布時間により変色していきます。
これはまず、「ユーメラニン(ブリーチ剤の影響を受けやすい)」から分解され、それから「フェオメラニン(ブリーチ剤の影響を受けにくい)」が分解されていくことで起こる現象です。
なので、ブリーチ剤で髪色を抜いても最後の最後まで黄色がかった金髪となるのです。