コーム(櫛)選びの8つのポイント&お手入れのコツについて現役美容師がご紹介します!
女性にとってコーム(櫛)は、さまざまな使い方ができる便利アイテムです。
例えば、髪をとかしたり、ヘアアクセサリーとして使ったり、毛髪や眉毛のカットに使ったりと様々な用途に使えます。
また、メンズでも、最近人気のジェルを使った”七三分け”や”オールバック”の髪型も、コーム(櫛)を使うことで上手くスタイリングできます。
このように男女ともに何かと使う機会が多いコーム(櫛)について、種類や選び方をレクチャーしていきたいと思います。また、手入れのコツや洗い方の注意点などもお伝えするので必見です。
コーム(櫛)の種類と各部の名称
まずは、コーム(櫛)の種類を整理しましょう。
各メーカーからヘアアクセサリー(髪飾り)用、スタイリング用といった具合に、様々なコーム(櫛)が販売されています。
多種多様なコーム(櫛)ですが、それらは形状と使用目的によって種類分けすることができます。
ヘアアクセサリー(髪飾り用) | ヘアアクセサリーとして使用したり、ヘアアレンジに使用する。お団子や夜会巻きなどヘアアレンジの時に髪をまとめる”洋髪結髪用”、かんざしとして飾りに使う”日本髪結髪用”がある。 |
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セットコーム | ヘアカッティングや、ヘアスタイリングに使用する。 |
粗歯コーム(ラフコーム、ジャンボコーム) | 絡まっている毛髪をほぐしたり、トリートメント剤を満遍なく馴染ませるために使用する。 |
ラットテールコーム(リングコーム、テールコーム) | ヘアパーマやヘアカラーリングで使用する。 |
コーム(櫛)の各部の名称
コーム(櫛)の各部の名称は、一般に図のようになっていて、それぞれに働きがあります。
歯元 | コーム(櫛)の目に入った毛髪を一線に揃える働きをする。 | 胴 | コーム(櫛)全体の支えとなり、バランスを取る働きをする。 |
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歯 | 毛髪を引き起こし垂直に立てて、両側から支え、揃える働きをする。 | 歯先 | 頭皮に接して毛髪を引き起こす手引きをする。 |
コーム(櫛)の材質
コーム(櫛)はさまざまな材質で作られます。
例えば、骨、角、木、べっ甲、プラスチック、金属(ステンレスなど)などが用いられます。現在、よく使われる素材の木製とプラスチック製の特徴を表にまとめました。
木材 | プラスチック | |
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特徴 | ツゲ(黄楊・柘植)、イスノキ(柞)、みねばり、りょくだん(緑檀)など材料に使われる木の種類は色々。木材の種類や職人の技によって価格が大きく変化する。 | プラスチックの中でも、炭素繊維で強化したカーボンやポリアセタールなど磨耗しにくい素材がよく用いられる。 |
メリット | 静電気が起こりにくく、枝毛や切れ毛など髪を傷めにくい。また、木材に染み込んだ油分が毛髪の艶やキューティクルの保護に役立つ。 | 値段が安い。手入れがしやすく水洗いもできる。 |
デメリット | 水洗いができず手入れが難しい。プラスチック製よりも価格が高い傾向。 | 水洗いができ手入れが簡単。静電気が起こりやすく髪に良くない。 |
価格帯 | 約500~20000円 | 約200~2000円 |
つげ櫛とは
最近、TVでも特集されている”つげ櫛”って知っていますか。つげ櫛とは、ツゲの木(黄楊・柘植)から作られた木製の櫛のことです。実は、つげ櫛は昔から日本人女性に愛用されてきました。
つげ櫛は、固く粘り強さに優れ、また、椿油を染み込ませていることが多いです。なので、つげ櫛は、頭皮へのマッサージ効果が高く、また毛髪のツヤ感が向上するのでおすすめです。
コーム(櫛)の選び方
先ほど話したように、コーム(櫛)は使用目的や材質などの種類を選ばなければなりません。それ以外にも、次のような条件を参考に選んでいただければと思います。
- コームの歯の形状(歯の細さと目の密度)が、使用目的にあったもの。
- 凹凸やねじれ、歪みのないもの。また、全体の厚みが均等のもの。
- コームの歯、目が均一に揃っていて、毛髪の通りの良いもの。
- 歯が割れていたり、傷が付いていたりしないもの。
- 歯先は直接皮膚に接触するところなので、とがりすぎたり、丸すぎたりしないもの。
- 耐水性、耐油性、耐熱性のあるもの。
- 薬品によって変質しないもの。
歯の形状(歯の細さと目の密度)
特に、コーム(櫛)の歯の形状(歯の細さと目の密度)に着目して選びましょう。
目が細く、歯全体の密度が細かいほどツヤ出しや潤い効果は高まります。一方で、くせ毛やパーマなどでコーム(櫛)が髪に引っかかりやすい人は細歯を使用するとヘアトラブルや本体の破損の原因にもなります。
歯はその細さや目の密度によって3つに大きく分けられるので、自分の髪質やヘアスタイルあったものを選びましょう。
細歯 | 1本の歯が細く、歯全体の密度は細かい |
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並歯 | 1本の歯は中くらい、歯全体の密度は並み |
粗歯 | 1本の歯は太く、歯全体の密度は粗い |
ヘアケアをお考えの方は、ヘアブラシもオススメです。気になる方は、下の記事を参考にヘアブラシの種類や選び方をチェックしてみて下さい。
コームのお手入れ方法
コーム(櫛)は毛髪をとかすとき、フケなどの他に、毛髪に付着しているチリやホコリも一部取り去るので、大変汚れやすくなっています。常に清潔を維持するよう、使用後のコーム(櫛)は手入れをしましょう。
コーム(櫛)の手入れの仕方は、プラスチック製と木製では変わってくるのでその点も注意して下さい。
プラスチック製のコーム(櫛)のお手入れ方法とコツ
プラスチック製のコーム(櫛)は、水洗いもできお手洗いがしやすいですが、それでも取り扱いには注意が必要です。
- 歯と歯の間は、最も汚れが溜まりやすいので、ブラシで汚れを払い落としましょう。汚れがひどい場合は、石鹸水につけて、ブラシで洗います。ただし、薄手のコームの場合は歯を欠く恐れがあるので、平らな台の上において行いましょう。
- 汚れを落とし終えたら、最後の仕上げとして消毒を行います。ただし、消毒液に長くつけすぎると、コームが曲がる場合があるのでご注意ください。
- 消毒液からあげたコーム(櫛)を水でよくすすぎ、水分を拭き取ります。
- 材質上、蒸気消毒や煮沸消毒など熱による消毒は避けましょう。
木製コーム(櫛)のお手入れ方法とコツ
木製のコーム(櫛)は、自然由来でデリケートな素材なのでお手入れが少しややこしくなります。特に、水洗いはしないよう注意しましょう。絶対に、櫛を水につけたり、洗ったり、天日に当てる事は避けて下さい。
- 歯ブラシや毛足の短い豚毛ブラシなどで、優しく歯間の汚れを落とし掃除して下さい。
- その後、椿油を薄くなじませてください。
- 椿(ツバキ)油を櫛全体(特に歯を中心)に馴染ませる。
- そして、少しの間時間を開ける(時間の開け方は木材の材質によって異なります。20~30分程度のものもあれば、半日程置くものもあります)
- 汚れが浮いてきたところで、ブラシやハケを使い汚れを掻き出します。
- 最後に、残った汚れをティッシュや乾いたタオルで拭きとってください。櫛のとおりや、色つやが一段と良くなります。
*木製のコーム(櫛)はデリケートなため、この方法はあくまで参考にしっかりと説明書による取り扱い方法に従ってください。