《食と薄毛の関係》健康的な髪の毛を育む3大栄養素+髪に良い食べ物 についてご紹介します
健康的な食生活は、元気な髪を育むために大切なものです。
ヒトの体は、食べ物に含まれる栄養を元に作られているのはご存知でしょう。これは髪の毛も同じです。食事から必要な栄養を摂取することで、艶やかでハリコシのある髪が育まれます。
逆に、不健康な食生活を送っていると、元気な髪は育ちません。食事から摂るべき栄養が不足すると、髪の毛の太さ・成長スピードに影響を及ぼし、薄毛や抜け毛に繋がる恐れがあります。
よくお客様から「髪に良い食べ物・悪い食べ物はありますか?」と尋ねられます。他にも「ワカメや昆布には、薄毛改善効果があるんですか?」といった質問もよく受けますね。
私も「黒ゴマは薄毛や白髪にいい食品」「女性のための薄毛用サプリメント」なんてフレーズを女性雑誌でよく見かけるわ。このキュートなブロンドを、永遠に我がモノとするためにも気になる話題ね。でっ実際のところ効くの?
残念ながら、薄毛を治したり、白髪を黒くしたりする効果のある”スーパーフード”は発見されていないのが現状・・。でも、”食事と薄毛は全く無関係”とは断言できません。むしろ、健康的な髪を作るためには食事は欠かせない要素。食べ物から、髪の成長に必要な栄養を摂取することが大切です。
髪の成長に必要な栄養素?それは気になるわね。
確かに、男女問わず気になるところだよね。じゃあ、これから一緒に髪に良い食べ物をチェックしていこう。そして、美味しく美髪を目指そうじゃないか!
健康的な髪を育てるために必要な3大栄養素(タンパク質・ビタミン・ミネラル)
健康的な髪や頭皮を育むために欠かせない3大栄養素は、①タンパク質②ビタミン③ミネラルです。
今から「なぜ、この3大栄養素が健康的な髪を育てるために必要なのか」説明していきます。「髪のハリコシが低下して弱ってきたかな・・」「薄毛が進んでハゲてきたかな・・」「AGAやFAGAと診断された・・」といったお悩みを抱えている男女は必見です。
①タンパク質(アミノ酸)
タンパク質不足は髪を弱らせ枝毛・切れ毛・薄毛に繋がる
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。なんと、髪の全成分の約70%をケラチンが占めていると言われています。ケラチンは、18種類のアミノ酸から構成されていて、中でも1番多いのがシスチンです。
シスチンは、体内でほとんど生成することができず、食べ物から積極的に摂取して欲しい「準必須アミノ酸」の1つです。
必須アミノ酸 | 体内で合成不可能な、食べ物から摂取しなければならないアミノ酸。 |
---|---|
非必須アミノ酸 | 体内で合成可能なアミノ酸。 |
準必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸の内、合成量が少なく食べ物から積極的に摂取する必要があるアミノ酸。 |
ケラチンを構成する18種類のアミノ酸 | ||||
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シスチン | グルタミン酸 | アルギニン | スレオニン | トリプトファン |
セリン | プロリン | ロイシン | バリン | メチオニン |
アスパラギン酸 | イソロイシン | グリシン | アラニン | |
フェニルアラニン | リジン | チロシン | ヒスチジン |
*必須アミノ酸 *準必須アミノ酸
色々と専門用語が出てきましたが、ポイントをまとめると3つだけ!
- タンパク質は髪の毛の原料として重要な栄養(特にケラチン)。
- ケラチンは18種類のアミノ酸(シスチン等)で出来ていて、多種類のアミノ酸を摂取することが大切。
- ”必須アミノ酸”と”準必須アミノ酸”は、食事から積極的に摂取する必要がある。
ケラチンやシスチンやらカタカナばかりね。この○○チンが不足するとどうなるの?
もし、ケラチンタンパクが不足すると髪は弱く痩せ細って、抜け毛・枝毛・切れ毛の原因となることもあるので注意したいね(〇〇チンって頼むから言わないで、誤解を生むから・・)。
1日に食事から摂るべきタンパク質量の目安は?
個人差はありますが、国が発表している1日に必要なタンパク質の推奨量を参考にするといいでしょう(日本人の食品摂取基準2015)。
成人男性 | 60g |
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成人女性 | 50g |
また「日本人の食事摂取基準」の中では「適度な運動はタンパク質の利用を高め、逆に、運動不足や過度な運動は利用を低める」とも報告されています。したがって、ジョギングなど適度な運動も薄毛の予防改善のために取り入れると良いでしょう。
ところで、”良質なタンパク質”って言葉をよく耳にするけどアレは何?
良質なタンパク質とは、体内で作り出すことができない必須アミノ酸が、バランスよく含まれているものを指すのさ。ケラチンのように、タンパク質は20種類のアミノ酸が組み合わせで出来ているから、良質なタンパク質ほど体内での利用率が高いのさ。
タンパク質の多い食べ物
主な働き | 多く含む食べ物 | |
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タンパク質(アミノ酸) | 髪の毛の主成分。筋肉や臓器、皮膚、爪などの材料となり、体を作る上で欠かせない成分。 | 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉) 魚介類(フカヒレ、カツオ、イワシ、アジ、マグロなどの青魚) 豆類(豆腐、納豆等の大豆製品) 卵類(特に卵白) 乳類(チーズ、ヨーグルト、牛乳) |
②ビタミン(B群・C・E)
ビタミン類は髪の成長促進・頭皮環境の改善に欠かせない
健康的な髪を育てるためには、タンパク質だけでは不十分です。食べ物から摂取したタンパク質を有効活用できる形に変えなければなりません。その役割を担うのがビタミンです。
ビタミンって種類がいっぱいじゃない。AやらBやらCやらZやら。
そう、ビタミンは種類が豊富なんだ。どのビタミンも大切なんだけど。特に、薄毛や頭皮環境の改善のために積極的に摂取しておきたいのが、ビタミンB群・C・Eだよ。
(ちなみに、キュティビュティちゃん「Z」はないよ・・・良い子は注意してね。)
ビタミンが多い食べ物
主な働き | 多く含む食べ物 | |
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ビタミンB2 | タンパク質の代謝を促す髪の成長のサポート | 肉類(牛・豚・鶏のレバー) 魚介類(ウナギ、カニ) 豆類(納豆) 卵類(ウズラの卵、鶏卵) 海藻類(海苔、ひじき) 種子類(アーモンド) |
脂質の分解をサポートし、皮脂をコントロール(脂漏性皮膚炎の予防) | ||
ビタミンB6 | タンパク質の代謝を促し髪の成長をサポート | 肉類(牛・豚・鶏のレバー、鶏ささみ) 魚介類(マグロ、カツオ、サケ、イワシ) 野菜類(唐辛子、にんにく) 種子類(ごま、ピスタチオ) |
脂質の分解をサポートし、皮脂をコントロール(脂漏性皮膚炎の予防) | ||
ビタミンC | コラーゲンの合成に必要 | 野菜類(赤・黄・青ピーマン、ケール、芽キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、唐辛子) 果物類(レモン、アセロラ、ゆず、柿、キウイ、いちご、グレープフルーツ、オレンジ、みかん) 海藻類(のり、わかめ) 飲料類(煎茶、アセロラ・キウイジュース) |
抗酸化作用(ビタミンEと協力して活性酸素を消去し細胞を保護) | ||
ストレス予防 | ||
ビタミンE | 抗酸化作用(過酸化脂質の生成を抑え、頭皮の臭いや脂漏性皮膚炎を予防) | 魚介類(アン肝、イクラ、アユ、ウナギ、明太子、海老) 種子類(アーモンド、ピーナッツ) 油脂類(ひまわり・サンフラワー・米ぬか・とうもろこし・なたね油) 野菜類(唐辛子、ドライトマト、かぼちゃ) |
血行促進作用(過酸化脂質の生成を抑え、血液の流れをスムーズにする) |
③ミネラル(鉄・亜鉛)
貧血気味の女性は不足しがちな鉄分
鉄、亜鉛などのミネラルも、健康的な髪の毛の成長に欠かせない栄養素です。ミネラルは、タンパク質の合成をサポートしたり、頭皮に栄養や酸素を運ぶ血液の材料となります。
鉄分や亜鉛が不足すると、血液を作る機能が落ち貧血気味になってしまいます。すると、毛細血管から髪へ十分な栄養が行き渡らず、生えてくる髪が弱々しくなる恐れがあります。
ミネラルは不足しがちな栄養素です。特に、女性は月経や妊娠があるので、鉄分が不足し貧血気味の人が多いです。なので、食品からミネラルを積極的に摂取するよう心がけましょう。サプリメントを使って効率的に補給するのも良いでしょう。
ただし、ミネラルは取りすぎには注意です。適量に抑えておきましょう。
適量ってどういうこと?食べられるだけ食べた方がいいんじゃないの?
鉄や亜鉛といった微量ミネラルは、大切なものだけど、過剰に摂取し過ぎると体調不良を招く心配があるんだ。だから、適量に抑えることが必要だよ。
ミネラルが多い食べ物
主な働き | 多く含む食べ物 | |
---|---|---|
鉄 | 酸素の運搬に関わる成分。血液(ヘモグロビン)の成分となり、全身に酸素(頭皮を含む)を運び、細胞の活動をサポートする。 | 肉類(赤身の肉、牛・豚・鶏のレバー) 魚介類(鮎、アワビ、アサリ、シジミ、エビ) 野菜類(パセリ、唐辛子、大根) 海藻類(海苔、ひじき、ワカメ) |
亜鉛 | タンパク質の生成に関わる成分。酸素と共に働き毛母細胞の分裂成長をサポートする。 | 肉類(牛肉) 魚介類(牡蠣、煮干し、スルメ) 豆類(大豆製品) 乳類(パルメザンチーズ) 穀類(米) 種子類(ごま) 海藻類(わかめ) |
髪の毛に悪い食べ物・薄毛のリスクを高める食べ物ってあるの?
高カロリー・高脂質の食べ物は脂漏性皮膚炎や頭皮の臭い等のキッカケに
ところで、髪の毛に悪い食べ物ってあるの?
いい質問だね。
油ギトギトの揚げ物やファーストフードなどの「高カロリー・高脂質」の食事は控えましょう。油の摂り過ぎは、頭皮トラブルを引き起こす過酸化脂質を増加させて、脂漏性皮膚炎や頭皮の臭いの原因となる心配があります。
また、過剰な飲酒やダイエットも辞めておいたほうがよいでしょう。
どのタンパク源(肉・魚・豆)が1番良い?
なるほど。ところで、タンパク質って肉や魚や豆やら色々な食べ物から摂れるじゃない。どれがベストなの?
どれがベストとかはありません、すべてが大切。確かに”肉の油より、魚の油の方が健康的”と言われているのも事実。
- 青魚の油に多く含まれる「不飽和脂肪酸(DHAやEPA)」は体内で固まりにくく、中性脂肪を減少させて血液をサラサラする。
- 牛肉や豚肉、乳製品の油に多く含まれる「飽和脂肪酸」は体内で固まりやすく、中性脂肪を増加させ血液をドロドロにする。
じゃあ、やっぱり魚だけ食べればいいんじゃないの?
だからといって「魚だけ食べていたら良い」のかというとそれは違うよ!
魚には人体に悪影響を及ぼす水銀の蓄積量が多い傾向があります。なので、毎日3食すべて魚料理はオススメしません。お肉・魚・豆などタンパク質が摂れる食べ物をバランスよく食べることが、髪は元より体の健康の為には大切。
なるほど!健康的な髪の毛を育てるには、色々な食べ物を食べることが1番の近道というわけね。
元気な髪を育てるには『バランスの良い食生活』が1番
これまで「健康的な髪や頭皮を育むために欠かせない3大栄養素」について説明してきました。この中のいずれか1つでも欠けるのは、好ましくないことは言うまでもないでしょう。なので、偏食や栄養不足、過剰なダイエットは、抜け毛や薄毛のリスクを高めるので辞めましょう。
また、3大栄養素を沢山摂取したからといって、髪が急激に増えて薄毛が改善するということもありません。
よく「3大栄養素さえ食べていれば、髪が健康になる」と思いがちです。ですが、髪を作るのは、髪だけではなく体全体だと肝に命じましょう。健康的な髪の毛を作るには「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」を含む食品を中心に他の栄養素も含めバランスよく食べることが1番です。
でも、アミノ酸にもビタミンにもミネラルにも多くの種類があるので、どの食べ物にどんな種類の栄養素が含まれているか隈なくチェックするのは難しいと思います。
じゃあどうすれば良いの?
そこで3つばかり提案があります。
- あまり細かいことにとらわれず、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」を含む食品を中心にバランスよく多種類の食品を食べる。
- 同じようなレシピ献立を、何回も繰り返さない。
- 食事が全体的に彩り豊かでカラフルかどうかが「バランスの良い食事かどうか」の判断基準の1つ。
なるほど!健康的な髪の毛を育てるには、色々な食べ物を食べることが1番の近道というわけね。
(そのセリフ本日2度目だね・・・)
特に、FAGAといった女性の薄毛は、食事や睡眠、喫煙、過剰な飲酒・ダイエットといった生活習慣やストレスなど、色々な原因が重なって起こるケースが多いです。なので、薄毛を予防改善するためにも、毎日の生活習慣を見直し対策することが大切です。さらに、シャンプーやドライヤーの正しい方法や選び方も学ぶと良いでしょう。
サプリメントで不足しがちな栄養素を補給して薄毛予防
薄毛を予防改善するためにも、食事から必要な栄養素をしっかり摂取したいものです。
ですが、「仕事や家事が忙しくてコンビニ弁当やファーストフードばかりという人」も多いと思います。そういった方は、サプリメント(栄養補助食品)を使うのも選択肢の1つです。
じゃあこれで薄毛予防も完璧ね!
それは違います。サプリメントは健康補助食品であって医薬品。そのため「短期間サプリメントを飲んだけで、劇的な薄毛改善効果が期待できる」「薄毛が絶対に治る」といった効果を保証するものでありません。
サプリメントは「毛髪だけでなく体の健康のために、足りない栄養素を補ってあげる」という意識で、気長に飲み続けましょう。
サプリメントといっても色々な種類があるじゃない。薄毛予防のためには、どれを選べばいいの?
そら、不足している栄養素だけをサプリメントで、ピンポイント補給できるのが理想さ。でも、その判断は難しいよね。
そこで、ビタミンやミネラルなどの不足しがちな栄養素が、多種類入っている「マルチビタミン」・「マルチミネラル」が配合されたサプリメントを選ぶのがおすすめ。バランスが取れていて気軽に飲みやすくなっています。