脂漏性皮膚炎とは?症状・原因・治療法を学ぼう+シャンプー3選

脂漏性皮膚炎しろうせいひふえんという病気を知っていますか?

もし、あぶらっぽい脂性肌の人で、頭皮や顔の赤みやかゆみに困っているという方は脂漏性皮膚炎かもしれませんよ。脂漏性皮膚炎は、30 ~50代の男性に多い皮膚の病気ですが、女性でも発症します。

ここでは美容師の立場から、「脂漏性皮膚炎とはどんな病気なのか」、「原因な何なのか」、「治し方はあるのか」分かりやすく解説していきます。

脂漏性皮膚炎とは

脂漏性皮膚炎はどんな病気?漢字の意味から学ぼう

みなさんは「脂漏性皮膚炎」という文字を見てどう感じましたか?

見慣れない”脂漏性”や”皮膚炎”などの漢字のオンパレードにビックリされたことでしょう。ですが安心してください!「脂漏性皮膚炎」という漢字を単語に分けて、それぞれの意味を見てみると、簡単にどんな病気なのか理解できるはずです。

つまり、脂漏性皮膚炎とは、頭皮や顔の毛穴から出てくる過剰な皮脂が原因の炎症のことです。

脂漏 毛穴周りから分泌される皮脂(アブラ)が過剰な状態
皮膚炎  皮膚に起きる炎症症状


脂漏性皮膚炎と患者数と男女比

脂漏性皮膚炎の患者数は、全人口の1~5%に見られると言われます。男女比はおよそ2:1で男性の方が多いです。脂漏性皮膚炎を発症しやすい年代は2パターンあります。

乳児型 生後3ヶ月以内の赤ちゃんの時期
成人型  思春期以降

特に30~50代の男性の発症率が高い病気ですが、女性でも発症します。

脂漏性皮膚炎の症状

赤み・ふけ・かゆみが主な症状

脂漏性皮膚炎の特徴的な症状は3つです。

  1. 皮膚が赤くなる(赤斑)
  2. 黄色のアブラぎったフケが多く出る
  3. かゆみ

初期の脂漏性皮膚炎の場合、これら自覚症状がないことがほとんど。そう考えると、大した病気ではないように思えます。ですが、自分ではなかなか自覚しにくいというのは逆に厄介なことです。

なぜなら、病気に気づかず放置していると、知らず知らずのうちに徐々に悪化し重症化していく恐れがあるからです。また、かゆみで頭皮を爪で掻きむしってしまい、炎症が悪化するケースもあります。そして、脂漏性皮膚炎が重症化すると、次のような症状が現れることがあります。

  • 頭皮全体が赤くなる
  • 皮が剥けるように大きなフケがと出る
  • 抜け毛(脂漏性脱毛症)

このように脂漏性皮膚炎が重症化すると抜け毛や薄毛に繋がり、AGAやFAGAを悪化させる要因となる可能性もあります。また、脂漏性皮膚炎は一度かかると治りにくい慢性的な病気なので要注意です(フケ症は脂漏性皮膚炎の軽いバージョンとされています)。

脂漏性皮膚炎ができやすい部位

脂漏性皮膚炎は、頭皮、顔、鼻、耳の前後、腋、胸、背中の中央部、へそまわり、陰部などによくできます。顔では特に、Tゾーン(左右の眉と鼻を結ぶライン)に多くできます。

実は、これら脂漏性皮膚炎ができやすい場所には共通点があります。気づかれた方は勘が鋭いですね。そうです!脂漏性皮膚炎ができやすいのは、体の中でも皮脂の分泌が多い場所です。

脂漏性皮膚炎の原因

皮脂の酸化とマラセチア(カビ)が原因の有力候補

先ほど脂漏性皮膚炎の原因は、過剰な皮脂の分泌ということはお伝えしました。では、なぜ皮脂分泌が多い場所に湿疹が起きるのか知りたいところです。

しかし残念ながら、脂漏性皮膚炎の発症メカニズムについては、まだ完全には解明されていません。そのため「脂漏性皮膚炎の原因は〇〇だ」とはハッキリ断定できないのです。

ですが、いくつか有力な説なら存在します。中でも、最も有力候補とされている2つの仮説があります。

  1. 皮脂を栄養源とするマラセチア(癜風菌)という真菌(かび)の異常繁殖が原因
  2. 皮脂が酸化することで生じる脂肪酸が原因

マラセチアとは、私たちの頭皮や皮膚をすみかとして常在する真菌(カビ)です。脂を好むタイプのカビで、皮脂や汗、フケなどを栄養源として生きています。このマラセチアが何らかの原因で異常繁殖することで、頭皮や皮膚が刺激を受け、脂漏性皮膚炎を起こすのではないかと考えられています。

  • マラセチアに対する皮膚のアレルギー反応
  • マラセチアが皮脂成分のトリグリセリドを食べた後に出す脂肪酸の刺激

今までマラセチアを邪魔者のように表現してきましたが、それは少し違います。マラセチアは、私たちの皮膚の健康を守るために必要な存在です。常在菌として私たちの体を守るために色々な役割を担っています。

  • 保湿成分の生産
  • 雑菌、病原菌の侵入防止する殺菌作用
  • 紫外線が皮膚を透過する防止

でも、必要以上に異常繁殖してしまうと、脂漏性皮膚炎や頭皮の臭いなど厄介な問題を引き起こしてしまうんですね。

脂漏性皮膚炎の発症や重症化に関係する要因

脂漏性皮膚炎の原因として、皮脂が大きく関わっているとお伝えしてきました。ですが、それだけが原因ではありません。

皮脂の分泌量のピークは10代の思春期の時期です。これだけで計算すると、単純に脂漏性皮膚炎の患者の大半を思春期の若者が占めるはずです。ですが、現実は違います。患者数の割合としては、30代から50代が多いためです。なので、他にもさまざまな要因によって、脂漏性皮膚炎のリスクは高まると考えられています。例えば、脂漏性皮膚炎の発症や重症化には以下のような要因が関与しているとされています。

  • 遺伝・体質
  • 体調
  • ストレス(仕事が忙しい時期に悪化する症例報告が多い)
  • 気候などの環境的要因(秋から冬にかけて温度と湿度が低い季節に悪化)

脂漏性皮膚炎の治療法

それでは、脂漏性皮膚炎の治療法をご紹介していきましょう。

脂漏性皮膚炎の発症には、皮脂つまりアブラが原因です。なので、まずは皮脂の分泌が多くならないよう食事や睡眠、ストレスなどをコントロールし病気を治していきます。また、薬やシャンプーを上手に使って治療していきます。

油物中心の食習慣を控え、ビタミンを摂取し皮脂分泌を抑制

唐揚げやカツ、天ぷらなどの油っぽい食べ物を控えましょう。また、皮脂を抑制する働きがあるビタミンを積極的に摂取しましょう。補いきれない栄養素は、サプリメントで摂取してみるのもおすすめです。

ビタミンB2 皮脂の分泌を抑制コントロールする。 レバー、うなぎ、納豆、卵等
ビタミンB6 レバー、まぐろ、かつお等
ビタミンE 皮脂の酸化を防ぐ。 魚介類、かぼちゃ、アーモンド等
ビタミンC ビタミンEの働きを高める。ストレス予防にも効果がある。 レモン、ブロッコリー、赤ピーマン、キウイ等

油性のスタイリング剤や化粧品を控え、ドライヤーで髪を乾かす

日々のおしゃれに必須なスタイリング剤。ですが脂漏性皮膚炎が疑われる場合、なるべく油性のワックスや刺激が強い化粧品の使用は控えた方が良いでしょう。また、頭皮が湿った状態は、マラセチアの繁殖に最適な環境です。自然乾燥はやめ、タオルドライドライヤーでしっかりと頭皮と髪の毛を乾かしましょう。

  • 油性の整髪料(ワックスやポマード、椿油等)を使用しない。
  • 油性の化粧品を使用しない。
  • ヘアセットにはなるべく自然由来の低刺激なスタイリング剤を使用しましょう(プロダクトワックスがおすすめです)。

自然乾燥がNGな理由

抗真菌薬やステロイドによる薬物療法

赤みやかゆみ等の症状が酷い場合は、塗り薬を使って脂漏性皮膚炎を治療します。

以前までは、ステロイド系のローションやクリームを使った治療が中心でした。しかし、最近ではマラセチアの関与が疑われることから、ケトコナゾールという抗真菌薬(マラセチアの活動を抑える薬)がよく使用されます。

ステロイドもケトコナゾールも、クリームやローションなどの外用薬として患部に塗り治療します。脂漏性皮膚炎は再発しやすく慢性化しやすいので、完治するまでには数年かかることもあります。また、症状の現れ方にも波があります。なので、軽くなったからと自己判断で勝手に薬をやめてはいけません。その前に、必ず医師に相談しましょう。

ステロイド薬の副作用の多さや重さが度々問題視されています。また、脂漏性皮膚炎の治療は数年に及ぶこともあるのでステロイドは使いにくい薬です。なので、副作用の心配が比較的少ないケトコナゾールは、脂漏性皮膚炎の治療薬として使いやすい薬です。

また、内服薬としては、かゆみの強い場合は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いたり、体内からの皮脂の分泌を抑制するビタミンB2やB6などを用いて、肌を整えます。

石鹸やシャンプーを使った洗髪・洗顔・洗体

脂漏性皮膚炎の治療法として、洗髪・洗顔・洗体は重要な位置付けです。

皮脂は油なので、水と反発してしまい水やお湯洗いだけではキレイに落とせません。そこで、活躍するのが、シャンプーや石鹸に含まれている界面活性剤です。界面活性剤には、油分と水分を混ざりやすくする働きがあるので、皮脂などの油汚れがキレイに洗浄できるのです。なので、脂漏性皮膚炎の人はシャンプーを毎日しましょう。

脂漏性皮膚炎の人の場合、なるべく刺激の少ないシャンプーや石鹸を選ぶとともに、できるだけ頭皮を傷つけないよう気をつけましょう。また、不潔な人は要注意です。脂漏性皮膚炎を治すには正しい方法を学び、皮脂を適度に洗い流し清潔な状態に保つことが大切です。

  • 週に1・2回しか頭や体を洗わない人
  • シャンプーや体の洗い方が、適当あるいは間違っている人

フケやアブラをとことん取り除こうと、あまりゴシゴシ強くこすりすぎると、頭皮を荒らしたり、炎症を起こしたり、頭皮にとってかえって好ましくない結果を引き起こします。まずは正しいシャンプーのやり方を学びましょう。

正しいシャンプーの仕方

脂漏性皮膚炎におすすめシャンプー

脂漏性皮膚炎に対しては、ミコナゾール硝酸塩(抗真菌・カビ成分)が配合されたシャンプーがおすすめです。ミコナゾール硝酸塩入りのシャンプーで、マラセチアの増殖を抑えフケやかゆみを防ぎます。

また、意外に知られていないことですが、皮脂をキレイに落としすぎるのもNGです。なぜなら、皮脂はマラセチアと同じく、頭皮や肌を健康的に保つためには必要不可欠なものだからです。皮脂は邪魔者?臭いの原因だけど頭皮・髪の健康には必要

洗浄力の強いシャンプー(石油系)で、皮脂を根こそぎキレイに掃除し過ぎると、皮膚が乾燥を防ごうと、過剰に皮脂を分泌してしまいます。さらに、洗浄力が強いシャンプーに入っている界面活性剤は、高刺激で肌トラブルを起こしやすく敏感肌の方は特に注意が必要です。

なので「毎日キレイにシャンプーで洗っているのに、脂漏性皮膚炎が治らない」という方は、洗いすぎが疑われます。せっかく、脂漏性皮膚炎の治療に良かれと思いしているシャンプーが、逆に脂漏性皮膚炎の悪化させてしまっているのです。

では、どのようにして脂漏性皮膚炎と相性の良いシャンプーを見つければ良いのでしょうか?そこで、最後に美容師らしく、脂漏性皮膚炎の方におすすめのシャンプーをご紹介ていきます。ここで紹介するシャンプーは、ネット通販などで市販購入できるので非常に便利です。

ミコナゾール硝酸塩(抗真菌成分)配合のシャンプー|コラージュフルフル

ミコナゾール硝酸塩入りのシャンプーとして、有名なのが「コラージュフルフル」です。もし、フケやかゆみでお困りの方は一度試してみるのも良いでしょう。

コラージュフルフルは、持田ヘルスケア(持田製薬グループ)が開発した、フケの原因菌を抑える、抗カビ成分の「ミコナゾール硝酸塩」を日本で初めて配合した薬用シャンプーです。

病院でも皮膚科の先生から、脂漏性皮膚炎の治療にコラージュフルフルが推奨されているケースもしばしば。

また、頭皮のにおいを防ぐ、抗酸化・抗菌成分の「オクトピロックス」も配合されているます。薬用で低刺激・無色素・無香料にもこだわりっているので、肌が敏感な方でも安心してご使用いただけるおすすめシャンプーです。

さらに、コラージュフルフルネクストは、「すっきりさらさらタイプ(頭皮が油っぽい方)」と「うるおいなめらかタイプ(頭皮が乾燥しやすい方)」の2タイプがあり、自分の頭皮、好みに合わせて選べるのも高ポイントでしょう

コラージュフルフル公式サイトへ

低刺激なアミノ酸シャンプー|KADASON(カダソン)&ハーブガーデン

脂漏性皮膚炎で悩んでいる人は、敏感肌の方も多いことから洗浄力が適度で低刺激の「アミノ酸シャンプー」を選びましょう。シャンプーにより、適度に皮脂を残し頭皮を健康な状態に保つことが大切です。最後に、美容師として、脂漏性皮膚炎の人や予防のためにオススメするシャンプー「KADASON(カダソン)」と「ハーブガーデン」の2つをご紹介しましょう。

カダソンスカルプシャンプーは、皮膚科専門医の監修で開発された脂漏性皮膚炎で悩んでる方のためのアミノ酸シャンプーです。

私の知る限りでは、脂漏性皮膚炎のことを考え、ターゲットを絞ったシャンプーはカダソンだけだったと思います。

頭皮保護成分のサリチル酸が配合されているのも高ポイントでしょう。「頭皮が敏感」「脂性肌」「フケやカユミ」で低刺激性・無添加シャンプーで頭皮ケアが必要な方にオススメしたいシャンプーです。

カダソン公式サイトへ

ハーブガーデンは、100%天然由来のオーガニックシャンプーです。

100%天然由来にこだわり作られたシャンプーなので、とてもお肌に優しく感じます。その為、乾燥肌や敏感肌で脂漏性皮膚炎の再発予防にうってつけのシャンプーとしておすすめしています。また、赤ちゃんに使えるのも好ポイント!

ハーブガーデンのシャンプーは、ベースとなる精製水に注目し、阿蘇産無農薬ハーブを抽出した「ハーブウォーター」が使用しています。また、厳選された7種類のハーブが、頭皮を健やかに保ちます。

さらに、今注目の成分「フルボ酸」をはじめ、≪洗浄・保湿・スカルプケア・補修≫に特化した天然成分を豊富が高配合されています。ノンシリコン・オーガニックシャンプーなのに、泡立ち・泡持ち・泡切れに優れ、使用感も抜群です。他のオーガニックシャンプーと比べても、その優れた使用感と高い効果性で、違いを感じていただけるはずです。今なら「特別半額モニター」キャンペーンを実施中しています。

ハーブガーデン公式サイトへ

参考文献